音が響き、水も揺れる 東京外環工事 住民悩ます振動〈10月18日号より〉

 現在施工中の東京外かく環状道路(東京外環)の大深度地下工事で、真上に住む住民が振動と騒音に悩まされています。

 「地上に何ら影響ない」として始められた東京外環工事は、関越高速道大泉ジャンクション(JC)と東名高速道東名JC間16㌔㍍を、住宅密集地の真下40㍍以深の大深度地下トンネルで結ぶ、今まで世界でも施工例のない超難関工事です。

 住民の声を受けて7日、日本共産党の宮本徹衆院議員は国土交通省から聞き取りを行いました。山添拓参院議員と原田あきら都議らが同席しました。

 国交省は「振動については3地域で集中して問い合わせを受けていると承知している」とし、「9月4日の速報値(シールドマシン直上)で最大46デシベルの振動が測定されているが、都の環境基準を満たしている。これからも安全に細心の注意をはらい工事を進める」と発言しました。

 住民の「自宅内での振動と騒音を測定して欲しい」との要望に、国交省は回答を避けました。

 掘削中のトンネルのほぼ真上に住む調布市の近田眞代さんは「トントンという音が響いて、ウオーターサーバーの水も揺れました。孫は湯船で『船酔いしたみたい』と言っていました」と被害を訴えます。また「国交省の人には『60年前から住んでいるのに(道路計画を)知ってて買ったのでしょう』と言われました。国交省に連絡するとNEXCO(東日本・中日本高速道路株式会社)が来るが、NEXCOは家屋内の振動を調査しない。NEXCOに連絡すると工事施工者が来る。どこからもきちんとした説明がない。どこも責任を取りません」と訴えます。

 住民らは「工事だけでなく、開通してからも大事故が起きたら、責任を取るところは不在」だと心配しています。

(東京民報2020年10月18日号より)

関連記事

最近の記事

  1. 同性婚に対する党の方針を示す、(左から)立憲、共産、自民、公明、維新の代表者=22日、千代田区 …
  2. 杉並区 予算案を可決  杉並区議会は18日、岸本聡子区長が提案する2024年度一般会計当初予…
  3. 1面2面3面4面 【1面】 全盲の学生 「自分の力で通学したい」 大学前に音響信号ついた…
  4. 日本記者クラブで講演=3月19日、千代田区  新たな任務にたくさんの激励、期待の声をいただい…
  5.  自民党の裏金問題をめぐる衆院政治倫理審査会に18日、下村博文元文部科学相が出席しました。下村氏は…

インスタグラム開設しました!

 

東京民報のインスタグラムを開設しました。
ぜひ、フォローをお願いします!

@tokyominpo

Instagram

#東京民報 12月10日号4面は「東京で楽しむ星の話」。今年の #ふたご座流星群 は、8年に一度の好条件といいます。
#横田基地 に所属する特殊作戦機CV22オスプレイが11月29日午後、鹿児島県の屋久島沖で墜落しました。#オスプレイ が死亡を伴う事故を起こしたのは、日本国内では初めて。住民団体からは「私たちの頭上を飛ぶなど、とんでもない」との声が上がっています。
老舗パチンコメーカーの株式会社西陣が、従業員が救済を申し立てた東京都労働委員会(#都労委)の審問期日の12月20日に依願退職に応じない者を解雇するとの通知を送付しました。労働組合は「寒空の中、放り出すのか」として不当解雇撤回の救済を申し立てました。
「汚染が #横田基地 から流出したことは明らかだ」―都議会公営企業会計決算委で、#斉藤まりこ 都議(#日本共産党)は、都の研究所の過去の調査などをもとに、横田基地が #PFAS の主要な汚染源だと明らかにし、都に立ち入り調査を求めました。【12月3日号掲載】
東京都教育委員会が #立川高校 の夜間定時制の生徒募集を2025年度に停止する方針を打ち出したことを受けて、「#立川高校定時制の廃校に反対する会」「立川高等学校芙蓉会」(定時制同窓会)などは11月24日、JR立川駅前(立川市)で、方針撤回を求める宣伝を21人が参加して行いました。
「(知事選を前に)税金を原資に、町会・自治会を使って知事の宣伝をしているのは明らかだ」―13日の決算特別委員会で、#日本共産党 の #原田あきら 都議は、#小池百合子 知事の顔写真と名前、メッセージを掲載した都の防災啓発チラシについて追及しました。
ページ上部へ戻る