未来を拓く 山添 拓 無謀で危険な工事は中止を〈10月25日号〉

 

 調布市の住宅街で18日、道路が陥没、大きな穴が開いたというニュースに驚きと恐怖を感じた方も多いと思います。付近の40㍍地下では東京外環道のトンネル工事が進められ、陥没した現場も約1カ月前にシールドマシン(掘削機)が通過したばかり。

 周辺では多くの住民から騒音や振動の被害が訴えられていたほか、塀に亀裂が入ったりタイルが落ちたりという事態も。私は宮本徹衆院議員や都議予定候補の田中智子さんらとともに先月現地を調査。その後、国交省に調査と工事中断を求めていましたが、「経年劣化の可能性もある」などと言い、先延ばしにされていました。

現地調査で、住民から騒音や振動の被害の訴えを聞く=9月30日、調布市

 陥没事故を受け、工事は「念のため中止」、有識者会議で原因を究明するといいますが、もっと早くに対応すべきではなかったか。

 そもそも大深度法は、地権者の同意を得ることなく、無償で地下空間を「活用」するためのものです。それは、「地上に影響はない」ことが前提でした。

 ところが外環道の工事では、これまでも野川で気泡が生じたり地下水が噴出したり、地盤の複雑さもあり様々な影響が続出。住宅街に入ればいかなる事態が生じるかわからないと危ぶまれていました。

 最近、工費が7600億円も増額し当初計画の1・8倍に膨張、入札をめぐる談合事件も起きるなど問題だらけの外環道です。調査の徹底で原因解明が急がれるのはもちろん、無謀で危険な工事は中止すべきです。(弁護士、参院議員・東京選挙区選出)

(東京民報2020年10月25日号より)

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