PCR検査拡充が前進 高齢・障害者施設に独自補助 共産党都議団などの要求で〈11月8日号より〉

 新型コロナウイルスの感染拡大防止と経済活動を両立させる要とも言えるPCR検査体制の拡充が、前進しています。都民運動と日本共産党都議団の論戦などが、「必要な検査が実施されている」としてきた小池都政を動かしています。

 9月の補正予算には、高齢者と障害者施設で実施するPCR検査などに都が独自補助する経費30億円が計上されました。

 「高齢者施設における新型コロナウイルス感染症対策強化事業」(27億4000万円)は、感染が発生した場合の影響が大きい特養老人ホームや介護老人保健施設などを対象に、PCR検査などの対策を実施した場合の経費を都独自に支援します。

 利用者の平均要介護度が高い広域型特養ホーム(535)、老健施設(203)、介護医療院(16)の計754施設が対象。全職員・入所者が対象で、職員への定期的な実施や、新規入所者や病院からの退院者などがある際の実施が可能としています。

 保健所や検査・医療体制に負荷がかからないよう、対象施設が行う行政検査外のスクリーニング検査を補助対象にしています。

 「障害者支援施設等における新型コロナウイルス感染症対策強化事業」も9月補正予算に盛り込まれています(2億6000万円)。障害者の支援施設や障害児入所施設を対象に、PCR検査などの対策を実施した場合の経費を都独自に支援します。

 対象施設は、利用者の平均障害支援区分等が高い障害者支援施設(90)と、障害児入所施設(福祉型6、医療型6)の計102施設(都外施設は除く)。職員への定期的な実施や、新規入所者や病院からの退院者等がある際の実施などが可能です。検査の実施については、行政検査以外の施設が行う検査を対象とし、都は実施する施設に対し民間検査機関を紹介するとしています。

接待伴う飲食店も

 区市町村が、行政検査以外に高齢者施設や接待を伴う飲食店などに集中的なPCR検査(スクリーニング検査)を実施する場合に東京都が独自に補助する、「区市町村との共同による感染拡大防止対策推進事業」は、7月補正予算に盛り込まれました。

 ところが、要綱送付から20日あまりの11月6日に区市町村からの申請を締め切ることが、日本共産党都議団の聞き取り(10月28日)で明らかになりました。早期実施は必要なものの、実施要項が示されてから申請締め切りまでの日程が短いため、各自治体の施策実施の判断に影響を与えないよう、対応が求められます。

 同事業は都が7月の補正予算に計上。対象となるのは「重症化リスクの高いものの集団で形成される施設又は接待を伴う飲食店」。

 施設では共産党都議団が7月の申し入れなどで求めたデイサービス、ショートステイ、地域密着型特養老人ホーム、認知症高齢者グループホーム、重度障害者の通所施設、特別支援学級などが対象。今年度中に検査を実施した場合、PCR検査1件2万円、抗原検査1件7500円を財政補助します。

 一方、医療機関や保育所、幼稚園、児童養護施設、児童館、学童保育、学校(特別支援学級は除く)は、「重症化リスクが低いため、原則、対象外」としています。

 同都議団の聞き取りで都からは、「高齢者の小規模多機能も対象になる」ことや、「原則対象外としている保育所でも、医療的ケア児を受け入れ、医療的ケア児のクラスになっていれば、特別支援学級と同様の扱いで対象になる」こと、「島しょは、保育園など原則対象外としている施設も対象となる」ことが示されました。

検査を1日6・5万件に

 東京都は10月30日、1月~2月頃のインフルエンザ流行を見据えた「新型コロナウイルス感染症に関する検査体制整備計画」を策定しました。

 ピーク時の検査需要1日当たり約6万5000件と想定し、現状の通常時の約2万5000件、最大時約4万6000件からの引き上げを目指すとしています。東京都医師会など、関係機関と連携し、ピーク前の12月上旬までに検査体制を整備する計画です。

 共産党都議団は「検査の抜本的拡大こそ、経済社会活動と感染防止を両立させる道」だとして、国をあげた協力も求め、都内で1日数万人規模の検査体制の確立を提案しています。

(東京民報2020年11月8日号より)

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