都議会は8日、本会議を開き、緊急事態宣言の延長に伴う、営業時間短縮に応じた業者への協力金の追加支給のための2020年度最終補正予算案(1548億円)を、全会一致で可決しました。質問に立った日本共産党の大山とも子都議は、「菅政権の対応もきわめて問題があるが、小池知事の責任もきびしく問われる」とのべ、小池百合子知事の新型コロナ対策を厳しくただしました。
大山都議は、小池知事が宣言延長が決まった5日の記者会見で、新規感染者の下げ止まりの原因が、まるで都民にあるかのような発言をしていると批判。「都政の責任者として、緊急事態宣言を再び延長することになったことについて、率直におわびすべきではないか」とただしました。
さらに、「延長した2週間で何をするのかが、知事に問われている」のに、都として行う新たな対策はほとんどなく、補正予算の99%は国庫支出金だと指摘。「新型コロナウイルスの感染拡大は、自己責任で収束するようなものではない。東京都が責任を果たすことが求められている」と強調しました。
大山都議は「無症状感染者に対する大規模検査で感染を封じ込める戦略が、いよいよ必要になっている」とし、国の有識者会議・基本的対処方針等諮問委員会の尾身茂会長が、首都圏1都3県の知事に提案した、「陽性率の高い特定の地域や対象におけるPCR検査等の受検促進」など、リバウンド防止の対策強化を求める7項目の見解などを紹介。
その上で「新規感染者数をさらに徹底して減少させていくために、従来の延長線上ではない検査の拡充に踏み出すべきだ」とし、都の取り組みをただしました。
事業者の補償、支援求める
小池知事は自らの責任について答弁しませんでした。検査について初宿しやけ和夫・健康危機管理担当局長は「感染拡大の予兆を探知する方策を検討しており、東京iCDC(感染症対策センター)の議論を踏まえ、検査に関する対応策を検討していく」と答弁しました。
大山都議はまた、感染力が増していると懸念される変異株について、「早急な対応の拡充が求められている」として、流行状況を確実に把握するための都の取り組みを求めました。初宿局長は「スクリーニング検査の規模の拡大を図っていく」と答えました。
都は協力金について、3月8日から3月21日までの緊急事態宣言中と、その後の22日から31日までの期間を通して1日も欠かさず時短に協力した事業者に、124万円支給するとしています。しかし、事業の規模などにより必要な固定費は大きく変わるのに、従来通り一律支給のままです。
大山都議は、このことで不満や分断が起きていると指摘。「コロナの影響による事業者のひっ迫は、自己責任ではない。従業員数や事業の規模などに応じた協力金とすることが求められ」るとのべ、安心して営業時間短縮に応じられるよう、国とともに、きちんと補償を行うよう求めました
また、都がこの間、ビジネスホテルを確保し、住まいを失った人たちに提供する事業について、3月21日以降も継続するよう求めました。
討論に米倉都議
討論には共産党から米倉春奈都議が立ち、「新型コロナウイルスを本気で収束させる責任、都民の命と暮らしを守る。その責任は、都政の責任者である知事にあります。積極的な都独自施策が必要だと改めて求めます」と訴えました。
(東京民報2021年3月14日号より)