コロナ禍 税金は区民にこそ使え 大田区役所前で大運動〈2021年4月4日号〉

大田区役所前で区長に直接支援を求める不況打開大田区実行委員会=2021年3月23日、大田区

 大田区の中小業者や労働組合などでつくる「不況打開同区実行委員会」が3月23日、松原忠義大田区長にコロナ危機から中小業者・労働者・区民を守る緊急資金支援の実施を求め、大田区役所前で宣伝を行いました。

 「ものづくりのまち」として知られる大田区は、工場数と従業員数が東京都の市区町村で1位、製造品出荷で3位を誇ります。全盛期は町工場が9300社以上存在していましたが、長引く不況に加え、新型コロナの影響により、今は3千社を切るほど激減しています。

 当日は120人以上の中小事業主や個人事業主などが、プラスターや横断幕を掲げて参加。7人が代表してマイクを握り、コロナ禍で窮地に追い込まれている業者・区民の悲惨な現状や、持続化給付金、家賃支援給付金の追加給付、雇用調整助成金の特例措置等の延長を訴えました。

 雪谷民主商工会(民商)の五十嵐肇事務局次長は、岩手県一関市が2月に不況業者に対し、一律40万円の給付金支給を発表するなど、全国で自治体が独自支援を開始している実態を報告。「区の21年度予算案には、業者・労働者・区民への直接支援がない。今は区民を守るべき」と、速やかな具体策を求めました。

 大田地区労連の寺田末美事務局長は、東急多摩川線矢口渡駅付近から多摩川線を地下化し、京急空港線に乗り入れる新空港線(蒲蒲線)の事業費1260億円を取り上げ、「不要不急の予算を大胆に削減し、区民に使え」と強く要求しました。

 蒲田民商の佐藤亦子理事は「GOTO事業に踊らされ、何の政策もなく放り投げられた」と怒りを抑えつつ震える声で訴え。「なぜ2度目の持続化給付金が出せないのか。トンネル、都内空洞化(蒲蒲線計画)の開発を進めるのではなく、地上で暮らしている私たちに直接支援を」と区民の思いを代弁しました。

 要請宣伝は参加者全員のシュプレヒコールで締めくくり、庁舎に力強い叫びが響きました。

 宣伝後、大田区内で金属加工業を営む蒲田民商の池田克憲会長は「今は毎月赤字。多くの町工場は、いつ廃業になってもおかしくない。もともとぎりぎりで生活しているので1割、2割の減収だけで生活苦に陥り、生きること自体が危うくなる」と語りました。

東京民報2021年4月4日号より

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