コロナ禍により親の収入減やアルバイト収入の激減で学生の生活困窮は増しています。こうした中、自治体が生理用品の無料配布を行うなどの動きが都内でも広がっています。
「生理用品を軽減税率対象に!」とのインターネット署名に取り組んでいる「#みんなの生理」が、高校生以上の学生を対象にアンケート調査を行った結果、「金銭的な原因で生理用品の購入に苦労したことがある」という人が20・1%、「生理用品を交換する回数を減らした」と回答した人が37・0%もいたという回答が、衝撃的ニュースになりました。
豊島区では生理用品を経済的理由で購入できない女性に対し、防災用に備蓄していた生理用品で更新時期のきたものの無料配布を始めました。
日本共産党の浦野さとみ中野区議は17日、区議会総務委員会で「3年の保存期間を過ぎたものは破棄せず有効活用を」と提案し、中野区でも検討が始まりました。また北区でも同党のせいの恵子区議の質疑がきっかけで防災備蓄の生理用品の配布が始まります。足立区でも実施されています。
荒川区では一般配布の他、小中学校の保健室での活用が周知されました。これは同党の北村あやこ区議が予算特別委員会で「学校のトイレへの生理用品の設置」を求めたため一歩前進です。北村区議は「イギリスの学校ではトイレに設置されているところもあり、日本でもそうするべきだ」と言います。さらに「思春期の子が生理用品の入ったポーチを持ってトイレに行くことを恥ずかしいと感じたり、急に始まってしまった時にすぐ対応できるに越したことはない。不衛生にしておくと感染症などの危険もあります」と話します。
小中学校での対応は様々です。緊急時は保健室で支給する学校もありますが、中には「貸す」となっていて後日に現物を返すという学校もあるため、防災備蓄品の活用は有効です。
暮らしやすい社会へ向け問題解消を
欧州では生理用品が買えず手当てができないために不登校になるなど、「生理の貧困」が問題視され、生理用品の無償配布などが行われています。日本でも自治体の無料配布の広がりは歓迎されています。
生理による出血は尿意や便意のように我慢できるものではなく、ともなう腹痛なども個人差はあるものの生活への影響を受けます。生理用品は1パック300円台後半から販売されているナプキンや、より高額な下着などコストは個人差がありますが、ひと月で平均1000円程度というアンケート結果の他、オーストラリアの調査会社OnePollは、「生理用品に生涯約70万円を費やす」との結果を発表しています。
ツイッター(短文投稿サイト)では「生理用品は軽減税率の適用除外。生きているだけで毎月コストがかかって30年以上。腹も痛いし女に生まれたばかりに懲罰を受けているかのようだ」という声もあります。合わせて「生理の貧困解消は、回りめぐって誰でも暮らしやすい社会につながる」との男性の声もありました。
【東京民報2021年3月28日号より】