東京外環道「再発防止策ないのに」工事再開に怒りの声〈2021年8月1日号より〉

国交省などから聞き取りをする参加者=7月21日、千代田区

 東京外かく環状道路(東京外環道)の大深度地下トンネル工事において、7月16日からシールドマシンでの掘削工事が再開されている問題で7月21日、日本共産党の山添拓、吉良よし子両参院議員、宮本徹衆院議員らが国交省などに聞き取りを行いました。

 この工事では昨年10月から相次ぐ調布市東つつじヶ丘地域での地表陥没や地下空洞の出現などを受け、すべてのシールドマシンを止めていました。しかし今回、NEXCO(高速道路会社)東日本と中日本は13日、「保全措置」と称してシールドマシンを掘進させると公表。練馬区大泉地区の北行き本線などで工事が再開されています。

 山添参院議員は「東京外環トンネル施工等検討委員会有識者会議(有識者会議)のいう保全措置の範囲を超え、NEXCOの事業地内最大限の掘進をするのではないか」と質問しましたが、国交省などの事業者は「掘進ではなく、安全確保」だと回答。併せて「掘進再開でないために住民説明会は行わなかった」との説明がありました。

 参加したとや英津子都議は「有識者会議では掘進と言っている」と指摘。国交省の掘進再開ではないとの説明の矛盾と「近隣住民への周知期間も短い」とただしました。

 当日は沿線の住民と地方議員も多数参加しました。地表陥没の起こった調布市東つつじヶ丘地域の住民は「自宅付近で地表の隆起が起きていると思われる状況がある」と発言。また、事業者の不誠実な対応に批判の声が響き渡りました。調布での事故の再発防止策がきちんと出される前の掘進再開に、住民の怒りと疑念は収まる様子がありません。

〈2021年8月1日号より〉

関連記事

最近の記事

  1. ① 発がん性物質PFAS「都は汚染源特定し対策を」多摩地域 都調査で21自治体検出 ② 日比…
  2.  9月17日から一週間、パリを訪れました。昨年11月、フランス大使館から連絡があり、同国外務省主催…
  3.  岸田内閣の首相補佐官に15日、国民民主党の元参院議員で、同党の副代表を務めた矢田稚子氏が就任しま…
  4.  株式会社東京民報社の第51期定時株主総会が9月22日、港区内で開かれ、事業報告や決算報告などが原…
  5.  急激な物価高や光熱費の高騰が国民生活を侵食し疲弊させているにもかかわらず、政府与党は効果的な施策…

インスタグラム開設しました!

 

東京民報のインスタグラムを開設しました。
ぜひ、フォローをお願いします!

@tokyominpo

Instagram

10月1日の制度開始が目前に迫ったインボイスに反対する、52万人超の署名の受け取りを岸田文雄首相に求める集会が9月25日、開かれました。インボイス制度を考えるフリーランスの会(STOP! インボイス)が主催。1000人以上が参加し、オンラインでも同時配信されました。
#日本共産党 の #山添拓 参院議員が9月17日から1週間、フランス・パリを訪れました。フランス外務省主催で毎年、世界各国から75人を招待する「将来を担う人材招聘プログラム」の対象となったもの。連載コラム「未来を拓く」特別編として寄稿してもらいました。
#日本共産党都議団 は9月20日、多数の樹木を伐採する #神宮外苑再開発(新宿、渋谷区)で、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の諮問機関 #イコモス(国際記念物遺跡会議)が再開発撤回を求める「ヘリテージ・アラート」発令などを受け、改めて秩父宮ラグビー場の移転建て替えを中止し、現在地での再整備を検討するよう盛山正仁文部科学相と日本スポーツ振興センター(JSC)あてに申し入れました。
#新宿区 は8日、#明治神宮外苑 の再開発事業者が申請した25本の樹木伐採を許可しました。このことに対し市民グループ「#未来に子どもたちの笑顔をつくる神宮外苑を考える会」は12日、新宿区役所前で抗議のスタンディングを行い、約40人が参加。#神宮外苑 をテーマにした #サザンオールスターズ の曲「#Relay ~ #杜の詩」を合唱し、「かけがえのない日本と地域の宝、神宮外苑を壊さないで」と訴えました。
環境省が東京電力福島第1原発事故で発生した汚染土を、#新宿御苑(新宿区内藤町)の花壇で「再生利用」する実証事業を計画している問題で、#日本共産党 議員や住民らは14日、環境省から直近の状況説明を受けるとともに、実証事業を強行しないよう求めました。
政府が10月から導入をねらう「#インボイス(適格請求書)」制度を止めようと、#日本共産党 の #小池晃 参院議員・書記局長とさまざまな分野のクリエーターらが語り合う懇談企画が14日、ネット中継されました。品川区議会で、インボイス延期の請願に取り組んだ「#品川フリーランスの会」が主催したもの。声優やイラストレーター、写真家、演劇人などが、小池氏と語り合いました。
ページ上部へ戻る