〈一分 8月22日号〉「子どもたちがおやつを食べながらでも、寝ころびながらでも、気軽に読めるような作品が書きたい」…

 「子どもたちがおやつを食べながらでも、寝ころびながらでも、気軽に読めるような作品が書きたい」―7月に亡くなった児童文学作家の那須正幹さんの言葉です▼子どもたちのために、という創作姿勢を象徴するのが、代表作でもあるズッコケ三人組のシリーズでしょう。わんぱくでおっちょこちょいのハチベエ、物知りだけどテストの点は悪いハカセ、のんびり屋で心優しいモーちゃん。大人の思い描きがちな「良い子」には程遠い三人組の活躍は、子どもたちに長く愛されて50巻を重ね、さらに中年組、熟年組のシリーズも生みました▼お金を稼ぐということ、災害、戦争、歴史、民俗学、さらには人生と嘘…。ズッコケ三人組のさまざまな物語は、大人になって読み返しても、ドキドキ心を踊らせながら、人間と社会について深く考えさせられます▼広島で被爆した体験から、「絵で読む広島の原爆」など戦争や原爆を伝える作品も多く手がけました。熟年組を含めたズッコケ三人組シリーズを完結させた2015年には東京民報のインタビューで、安保法制など「戦争する国」への動きを、「三人組が自由に活動できるのは、日本が平和で民主的な国柄だから」と痛烈に批判した那須さん。平和を求め続けた79年の人生でした。

〈東京民報2021年8月22日号より〉

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