新型コロナウイルスが急拡大するなか、反対の声を無視して強行された東京オリンピックが11日閉会しました。菅義偉首相も小池百合子知事も、「安心・安全の大会を実現していく」と繰り返してきましたが、都内の新規感染者数(直近7日間平均)は、開会した7月日の週から 5.8倍に爆発的に拡大。「災害レベルで感染が猛威を振るう非常事態」(都モニタリング会議)です。
東京五輪が閉会した11日から15日まで、新たに判明した1日の感染者数は5日連続で4000人を超え、13日は過去最多の5773人でした。五輪関係者の感染も累計で553人(13日まで)にのぼっています。
3万5千人が自宅に
15日現在、入院中の患者は1週間で224人増の3749人で、そのうち重症者は94人増えて251人、ホテルなどの宿泊療養は逆に1週間で344人減って1525人。一方、自宅療養は3900人増の2万1256人、入院・療養先が決まらない調整中の患者は670増えて1万3995人で、合わせると約3万5000人の患者が入院も宿泊療養もできないでいます。亡くなった人は1週間で21人、累計で2335人です。
12日の都モニタリング会議では専門家が、「かつてないほどの速度で感染拡大が進み、新規陽性者数が急増しており、制御不能な状況だ。災害レベルで感染が猛威を振るう非常事態」だと、これまでにない強い危機感を示しました。
また、医療提供体制について「深刻な機能不全に陥っている医療提供体制がさらに圧迫され、救うべき命が守れなくなる。この危機感を現実のものとして皆で共有する必要がある」と強調しています。
実際、容態が急変して救急車を呼んでも入院できなかったり、自宅療養中に亡くなる深刻な事態も生まれています。
〈東京民報2021年8月22日号より〉