東京外環道 陥没事故 補償、工法きちんと示して 笠井、宮本氏ら ネクスコらに聞き取り〈10月3日号より〉

 昨年10月以来、調布市つつじヶ丘地域周辺では、東京外かく環状道路の大深度地下トンネル工事による地表の陥没事故や巨大地下空洞の相次ぐ発見に続き、家屋などへの亀裂をはじめとする異変が相次いでいます。日本共産党の笠井亮、宮本徹両衆院議員と山添拓参院議員は9月24日、国交省とNEXCO東日本に聞き取りを実施。これまで複数回に渡り、降雪の対応を理由に参加を拒んでいたNEXCO(高速道路会社)東日本は初の参加でした。

 聞き取りには当該地域住民や共産党調布市議らも参加。事前に渡した質問事項への回答を聞きました。

繰り返す「公表できない」

 NEXCO東日本はトンネル工事で発生した地盤の緩みに対する地盤改良工事について、「一部住宅の除却(取り壊し)なしには施工は不可能」と公表しています。しかし、対象や補償の基準、移転・買い取りの進捗状況も非公表で「個別に説明する」としているため、「自分の家が一時移転なのか、買い取り移転対象なのかわからない」との不安が地域で広がっています。こうしたことから「近所のコミュニティが壊されている」と訴える住民も少なくありません。

陥没事故から約1年経ち初の聞き取りに参加したNEXCO東日本に対してただす(前列左2人目から)宮本、笠井、山添の各氏=9月24日

 この日の聞き取りでもNEXCO東日本は工事に伴う物件の移転・補償の範囲を明らかにすることを拒み、「個別に誠意をもって対応する」と強調。約1000世帯を個別に訪問していると語りました。住民が求めている陥没事故以来の調査データの全ての公表については、「ホームページに掲載してある」として、一部データの公表には後ろ向きの姿勢に終始しました。

 さらに住民が地盤改良工事の工法についてたずねると「検討中につき公表できない」と繰り返し、不安と怒りをかいました。ある住民は「居住する住宅が気に入っているために、一時移転して戻れた際に同じ家を建てて欲しいと施工した大手住宅メーカーの職員に話した人がいる。地盤や地質なども変わるので、同じものは建てられませんと言われ落胆している」との被害者の声を紹介。他の住民の「(工法によっては地質の変化により大切にしてきた)庭木も元に戻せないこともある」「情報不足により移転の判断ができない」など、トンネル工事による被害についても訴えました。

早急な説明求める

 また、進行し続ける現地付近での家屋などへの被害についても、「地域を区切り、補償に差をつけるのはおかしい」とし、徹底的な情報公開と併せて早急に丁寧な対応を求めました。

 笠井衆院議員は「住民の訴えに、かみ合った回答をしていない」とNEXCO東日本を批判し、国交省職員に対して対応の改善を要求しました。宮本衆院議員は「工法など決定してから示すのでは誠意がない」と指摘。山添拓参院議員は「新たな亀裂や地表の隆起は個別案件ではない」として、早急に納得できる具体的な説明を求めました。

(東京民報2021年10月3日号より)

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