共闘の発展を地域から 東京革新懇 40周年でつどい〈12月5日号より〉

 生活向上・民主主義・平和の「三つの共同目標」を掲げて活動する東京革新懇(平和・民主・革新の日本をめざす東京の会)は11月23日、結成40周年の記念の集いを、千代田区のエデュカス東京で開きました。各参加者から総選挙を受けて、地域からの市民と野党の共闘をさらに発展させ、政治を変えようとの決意が語られました。

 記念のシンポジウムでは、「総選挙後の情勢と政治変革の展望 東京革新懇に期待するもの」と題して、法政大学教授の山口二郎、作家・活動家の雨宮処凛、全国革新懇事務室長の乾友行の各氏が、代表世話人で弁護士の杉井静子氏をコーディネーターに語り合いました。

 山口氏は総選挙について、「安倍・菅政権のコロナ対策が多くの死者を出し失敗したことこそが問われるべき選挙だったのに、直前の岸田政権への交代で、この間の失敗や数々の悪政がリセットされたような形の選挙になってしまった」と指摘。「野党共闘は、小選挙区での勝利や接戦を生んでおり、大きな成果をあげたのは明らかだ。それなのに、一部のメディアが共闘は失敗と言い続けている」と批判しました。

シンポジウムで話す(左から)杉井、山口、乾、雨宮の各氏=11月23日、千代田区

 今後の共闘発展の課題について山口氏は、「選挙の体制づくりは、トップダウンではうまくいかない。日常から各地域で、共闘の話し合いと信頼関係を作る努力が必要だ」として、「今回の共闘で達成したこともしっかり確認しながら、不十分なところを補っていく、そういう姿勢が大切だ」と語りました。

 乾氏は、「野党が求める臨時国会も開かず、自民総裁選でメディアをジャックした後に、短期間で選挙戦に入るという、民主主義への攻撃のもとでの選挙だった」と強調。全国で共産党へのデマ攻撃が繰り返されたことについて、「共産党が協力する政権ができるかもしれないという段階での、新たな反共攻撃だということをとらえて反撃する点で、弱さがあったのではないか」と振り返るとともに、「市民と野党の共闘の原点は、安保法制反対の運動。いま、各分野での市民運動が改めて大事になっている」と呼びかけました。

 コロナ禍での貧困の広がりもテーマになりました。雨宮氏は「各地の支援活動で、女性や若い人たちからの相談の割合が高いことが共通している。女性の非正規が多く働く飲食業界が、コロナ禍で大きな影響を受け、従業員が放り出された。女性や若者のワーキングプアが放置されてきたことの影響が、噴き出している」と指摘しました。

3党がメッセージ

 そのうえで、「ジェンダー平等が総選挙の政策として大きく掲げられ、いろいろな層にアピールできた。コロナ禍で初めて政治に目を向けた人もたくさんいる。多くの人たちと声をあげ、あらがいたい」と話しました。

 第二部では各団体や地域革新懇からのあいさつと交流が行われました。

 共産党都委員会の田辺良彦委員長は、東京の総選挙結果について、共闘した野党の議席が伸び、共産党も議席は増やせなかったものの比例得票を前進させたと紹介。「東京革新懇の40年の歴史に刻まれるべき、政治を変える最初の一歩となる戦いだった。革新懇とともに、さらに共闘を発展させる」と語りました。立憲民主党と社民党もメッセージを寄せました。

(東京民報2021年12月5日号より)

関連記事

最近の記事

  1. 同性婚に対する党の方針を示す、(左から)立憲、共産、自民、公明、維新の代表者=22日、千代田区 …
  2. 杉並区 予算案を可決  杉並区議会は18日、岸本聡子区長が提案する2024年度一般会計当初予…
  3. 1面2面3面4面 【1面】 全盲の学生 「自分の力で通学したい」 大学前に音響信号ついた…
  4. 日本記者クラブで講演=3月19日、千代田区  新たな任務にたくさんの激励、期待の声をいただい…
  5.  自民党の裏金問題をめぐる衆院政治倫理審査会に18日、下村博文元文部科学相が出席しました。下村氏は…

インスタグラム開設しました!

 

東京民報のインスタグラムを開設しました。
ぜひ、フォローをお願いします!

@tokyominpo

Instagram

#東京民報 12月10日号4面は「東京で楽しむ星の話」。今年の #ふたご座流星群 は、8年に一度の好条件といいます。
#横田基地 に所属する特殊作戦機CV22オスプレイが11月29日午後、鹿児島県の屋久島沖で墜落しました。#オスプレイ が死亡を伴う事故を起こしたのは、日本国内では初めて。住民団体からは「私たちの頭上を飛ぶなど、とんでもない」との声が上がっています。
老舗パチンコメーカーの株式会社西陣が、従業員が救済を申し立てた東京都労働委員会(#都労委)の審問期日の12月20日に依願退職に応じない者を解雇するとの通知を送付しました。労働組合は「寒空の中、放り出すのか」として不当解雇撤回の救済を申し立てました。
「汚染が #横田基地 から流出したことは明らかだ」―都議会公営企業会計決算委で、#斉藤まりこ 都議(#日本共産党)は、都の研究所の過去の調査などをもとに、横田基地が #PFAS の主要な汚染源だと明らかにし、都に立ち入り調査を求めました。【12月3日号掲載】
東京都教育委員会が #立川高校 の夜間定時制の生徒募集を2025年度に停止する方針を打ち出したことを受けて、「#立川高校定時制の廃校に反対する会」「立川高等学校芙蓉会」(定時制同窓会)などは11月24日、JR立川駅前(立川市)で、方針撤回を求める宣伝を21人が参加して行いました。
「(知事選を前に)税金を原資に、町会・自治会を使って知事の宣伝をしているのは明らかだ」―13日の決算特別委員会で、#日本共産党 の #原田あきら 都議は、#小池百合子 知事の顔写真と名前、メッセージを掲載した都の防災啓発チラシについて追及しました。
ページ上部へ戻る