負担軽減にあらゆる努力を 国保料 大幅値上げの試算受け 共産党都委が知事に申し入れ〈1月2,9日号より〉

 東京都が来年度の国民健康保険料(税)について、大幅値上げとなる試算を示したことを受けて、日本共産党の東京都委員会、都議団、区市町村議員団は12月20日、国保料(税)を引き下げるため、あらゆる努力をするよう小池百合子知事宛てに申し入れました。

 都は都国保運営協議会(11月29日)に、2022年度の国保料(税)について、各区市町村が国保料率を定める基礎となる東京都への納付金の総額を、国の仮係数に基づき4429億円(今年度比253億円増)と試算。その結果、各自治体が一般会計からの独自繰り入れを行わない場合、一人あたり17万2155円となり、今年度に比べ1万4804円(9・14%)もの大幅値上げになる試算を示しました。国保制度の運営を都道府県に広域化して以降、最大の上げ幅です。

都に国保の負担を抑えるよう申し入れる共産党都議と地方議員ら=12月20日、都庁

 もともと重すぎる国保負担で、払いたくとも払えない加入者が増加しているもとでの大幅値上げ試算に対し、運営協議会では共産党以外の委員からも懸念が表明されています。

 申し入れでは「社会保障改悪と消費税増税のもとで、貧困と格差が拡大し、都民の暮らしは悪化の一途」であり、それに加えて新型コロナ感染拡大の影響は、暮らしと営業を窮地に陥れていると指摘。加入者の7割が非正規労働者や無職・年金生活者で、重い負担を押しつけることは「制度を根底から崩しかねない」と強調しています。

 その上で▽都独自の抜本的な財政支出▽18歳までの子どもの均等割廃止▽新型コロナに対応した傷病手当金の支給拡大と国保料(税)減免要件の緩和▽強権的な差し押さえを行わないための区市町村への指導―など7項目を求めました。

 藤田りょうこ都議は「収入が減って今日食べるものがないという人もいる。状況をリアルに掴んで、都として支援してほしい」とのべました。

 他の議員からは「負担増の仕組みを国が変えないなら、都の財政力で自治体負担を減らしてほしい」(日野市)、「新しい制度になって区は繰入金を毎年度減らし、国保料を抑えることと矛盾している。3人の子どもがいる世帯で『国保料の滞納があるため、学資保険を取り崩して払わねばならない』と相談された」(江戸川区)、「加入者へのこれ以上の負担押しつけは許されない。コロナは災害と位置付けているのだから、国保料は引き下げるべきだ」(杉並区)など、深刻な実態や負担引き下げへの都の努力を訴えました。

 都福祉保健局の担当者は「財政支出は法令通り行っている」「市の子どもの均等割対策について、(圧力的なことを)言ったことはないし、これからもない」「一般会計からの繰り入れ自体は違法ではない」との認識を示しました。

(東京民報2022年1月2,9日号より)

関連記事

最近の記事

  1. 杉並区 予算案を可決  杉並区議会は18日、岸本聡子区長が提案する2024年度一般会計当初予…
  2. 1面2面3面4面 【1面】 全盲の学生 「自分の力で通学したい」 大学前に音響信号ついた…
  3. 日本記者クラブで講演=3月19日、千代田区  新たな任務にたくさんの激励、期待の声をいただい…
  4.  自民党の裏金問題をめぐる衆院政治倫理審査会に18日、下村博文元文部科学相が出席しました。下村氏は…
  5. 都庁の第庁舎に映し出されたPM映像  都が2月から新たな観光資源にするとして都庁舎の壁面に映…

インスタグラム開設しました!

 

東京民報のインスタグラムを開設しました。
ぜひ、フォローをお願いします!

@tokyominpo

Instagram

#東京民報 12月10日号4面は「東京で楽しむ星の話」。今年の #ふたご座流星群 は、8年に一度の好条件といいます。
#横田基地 に所属する特殊作戦機CV22オスプレイが11月29日午後、鹿児島県の屋久島沖で墜落しました。#オスプレイ が死亡を伴う事故を起こしたのは、日本国内では初めて。住民団体からは「私たちの頭上を飛ぶなど、とんでもない」との声が上がっています。
老舗パチンコメーカーの株式会社西陣が、従業員が救済を申し立てた東京都労働委員会(#都労委)の審問期日の12月20日に依願退職に応じない者を解雇するとの通知を送付しました。労働組合は「寒空の中、放り出すのか」として不当解雇撤回の救済を申し立てました。
「汚染が #横田基地 から流出したことは明らかだ」―都議会公営企業会計決算委で、#斉藤まりこ 都議(#日本共産党)は、都の研究所の過去の調査などをもとに、横田基地が #PFAS の主要な汚染源だと明らかにし、都に立ち入り調査を求めました。【12月3日号掲載】
東京都教育委員会が #立川高校 の夜間定時制の生徒募集を2025年度に停止する方針を打ち出したことを受けて、「#立川高校定時制の廃校に反対する会」「立川高等学校芙蓉会」(定時制同窓会)などは11月24日、JR立川駅前(立川市)で、方針撤回を求める宣伝を21人が参加して行いました。
「(知事選を前に)税金を原資に、町会・自治会を使って知事の宣伝をしているのは明らかだ」―13日の決算特別委員会で、#日本共産党 の #原田あきら 都議は、#小池百合子 知事の顔写真と名前、メッセージを掲載した都の防災啓発チラシについて追及しました。
ページ上部へ戻る