日本の大企業が集中し、人口1400万人を擁する巨大都市、東京。膨大なエネルギー、資源が消費され大量のCO2(二酸化炭素)を排出しています。都によると東京のCO2総排出量は5505万㌧(2019年度)です。
日本共産党都議団は、東京都が2030年までに温暖化ガスを2000年比50%削減し、エネルギー量50%削減などの目標を示したことは「重要」と評価しつつ、「その目標を実現するプロセスが示されていない」と指摘。「目標達成を裏付ける省エネルギー、再生エネルギーの目標と計画を持ち、厳格に進行管理し、進捗状況を公表すべきだ」と提起。専門家、環境団体、市民などの力を結集するよう提案しました(都議会代表質問=21年10月)。
建築物や住宅の対策については、太陽光パネルだけでなく断熱も、また新築だけでなく既存住宅も助成や義務化による省エネと再エネ化を50%目標にふさわしく強化すべきだと主張。都有施設こそ真っ先に取り組むべきだとしています。
東京戦略に逆行も
小池知事が3月に改定した「都市計画区域マスタープラン」では、都心の開発拠点がこれまでの32カ所から85カ所に大幅増加。大手町の390㍍のビル計画では、建て替え前のビルより高性能の省・再エネ設備を導入するのに、逆に年間2万㌧もCO2排出が増えてしまいます。共産党都議団は、巨大ビル建設を誘導する規制緩和が「ゼロエミ戦略に逆行している」と批判。大型開発で利益を得る大企業に課す都独自の「炭素税」を検討するよう提起しました。都は「国の動向を注視」(主税局長)と消極的です。また、石炭火力発電に対する認識も「国レベルで議論、検討がなされるべきもの」(環境局長)と、気候変動対策をリードする姿勢は見られません。
すでに世界の平均気温は1・1~1・2度上昇しており、破局的な気候変動を回避するために取り組める時間は長くありません。「10年足らずの間に、全世界のCO2排出を半分近くまで削減できるかどうか、ここに人類の未来がかかっている」(気候危機を打開する日本共産党の2030戦略)のです。目標倒れは許されません。(終わり=東京民報編集部)
(東京民報2021年12月19日号より)