Editors’ Choice 都立・公社病院独法化の問題点は 〈2月17日〉
- 2022/2/17
- WEB版連載
都議会の第一回定例会(16日開会)に、都は都立病院・公社病院を7月1日から地方独立行政法人化(独法化)するための、都立病院条例廃止案を提出しました。
コロナ禍の最前線で医療を支える都立・公社病院を、経営効率優先が求められる独法に移行してよいのか、心配の声が広がっているにもかかわらず、小池百合子都知事は開会日に行う施政方針表明で、この問題に何も触れませんでした。
東京民報の過去の記事から、都立・公社病院独法化の問題点を考える記事を選びました。

①知事の初表明+一から解説キーワード
小池知事が都立・公社病院の独法化を都議会の場で初めて正式に表明したのは、2019年2月でした。
日本共産党の原田あきら都議の当時の代表質問のうち、その表明への批判の部分を報道した記事です。
後半の「一から解説キーワード」コーナーでは、地方独立行政法人とは何か、解説しています。
②都立病院の歴史、独法化のねらいを連載で
2020年5月に掲載した、東京自治問題研究所主任研究員・安達智則さんの連載です。①、②、③、④
一回約千字、4回の連載の中に、都立病院が担った先駆的な医療の歴史や、独法化が都政で出てきた理由、自治体病院のあり方を論じてもらいました。
③13年前に独法化した健康長寿医療センターは
都の老人医療センター(板橋区)は2009年、都立・公社病院に先立って独法化され、健康長寿医療センターとなっています。
「経営改善」や「柔軟な人材確保」を目指すとする独法化にもかかわらず、健康長寿医療センターでは、2018年、19年と連続して10億円規模の赤字が出たり、医師が大量退職するなど、まったく逆の結果が出ています。2020年11月1日付の報道です。
④スタッフが長く務めることを問題視
都立・公社病院がコロナ禍で感染症対策の最前線に立っている理由の一つが、経験豊富なスタッフが多くいることだと指摘されています。
これに対し、独法化を進める都設置の委員会では、看護師などの職員が長く働き続けることを、人件費の関係で問題視する発言が出されていました。
この問題を追及した里吉ゆみ都議の公営企業決算特別委員会での21年11月の質疑を報じた記事です。
⑤定期的見直しで「廃止・民営化」も
独法化の根拠となる「地方独立行政法人」法では、3~5年ごとに業務継続や組織存続を検討するとしており、「廃止・民営化」を含めた見直しがおこなれます。
この問題を告発した、21年12月の共産党都議団の本会議質問の記事です。
(WEB東京民報 2022年1月17日公開)