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多様な教育取り戻そう 東京教育集会を開催
- 2022/2/19
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- 千代田
憲法を守り生かし、子どもの学習権・生存権を保障する教育を取り戻すことをテーマに、「2・5東京教育集会」が5日、全国教育文化会館(千代田区)で開かれました。会場とオンラインを含め、約200人が参加。長引くコロナ禍の下、子どもたちの健やかな成長や個々に手を差し伸べられる教育の実現、平和な未来を願う取り組みの輪を広げるため、山積する教育問題を報告し合い、学びと交流を深めまた
東京大学大学院教育学研究科の本田由紀教授が、「日本の教育の特徴と課題」について講演。日本の教育は、学力といった「能力」の一元的な尺度に基づき、縦に格付けされる「垂直的序列化」と、特定のふるまいや考え方を全体に強制し、「態度」や「資質」を評価の対象にする「水平的画一化」が支配している実状を説明。これが児童生徒の出身家庭による学力格差を顕著にし、社会的な排除にもつながっていると指摘しました。
本田氏は、国が推進する教育政策により児童生徒が打ちのめされているとして、高校1年生を対象にしたPISA(OECD〈経済協力開発機構〉が3年おきに実施する国際的な学習到達度調査)による「生きる意味」の国際比較データ(2018年)を提示。調査に参加した73カ国中、日本は最下位で、「生きている意味が分からない若者を、政治や社会がつくり出している現実を直視すべき」と声を強めました。
学校教員の現状を見ると、グローバル化などにより教員の仕事は拡大。不登校児童生徒や校内暴力行為など、学校現場が抱える問題も増え、中学校教員の労働時間は世界48カ国の週平均38・3時間に対し、日本は56・0時間。小学校教員は54・4時間です。
本田氏は「担任学級の児童生徒数が多いほど、勤務時間が長くなるのは自明の理」と強調し、学力格差の是正、学びの意義回復、生徒個々人を尊重する観点からも、少人数学級の必要性を主張しました。
その上で、誰もが尊重され、可能性を発揮することができる社会を実現するためには社会のありかたを180度変え、多様な個人が等しい人権や権利を持って活躍できる「水平的多様化」への転換が鍵になると指摘。「大事なことは児童生徒の評価ではない。どれだけきめ細かく、それぞれの子どもたちに何をやってあげられるのかということが大切」と語りました。