米倉都議「今は立ち止まろう」 都立・公社病院 6波さなかの独法化強行 都議会代表質問 全会派に呼びかけ
- 2022/3/6
- 都政・都議会
都議会第1回定例会は本会議を開き、小池百合子知事の施政方針に対する代表質問(2月22日)と一般質問(2月24~25日)を行いました。日本共産党からは代表質問に米倉春奈都議が立ち、都政の重要課題で知事をただしました。その中で、7月移管に向けて都立病院条例廃止をはじめ7つの関連議案を提出した都立・公社病院の地方独立行政法人化について、施政方針でなぜ一言も触れなかったのかと厳しくただすとともに、新型コロナ第6波のさなかの独法化は一旦立ち止まろうと、全会派に呼びかけました。
「丁寧に説明すると言ったのはうそだったのか。実際は説明する言葉がないのではないか」。米倉都議は小池知事を厳しくただしました。
米倉都議は独法化中止を求める署名が30万人を超え、3つの障害者団体が「都立病院条例廃止」の中止を求める要望書を都議会全会派に提出するなど、都民の理解は得られていないと強調。
また独法化で都職員7000人が公務員の立場を奪われるのに、大塚病院での説明会には職員約600人中約30人しか会場に参加していないなど、コロナ対応で忙殺されている職員との十分な意思疎通はできていないと指摘。「独法移行に際し職員団体との十分な意思疎通を定めた国会の付帯決議違反だ」と追及しました。
その上で「独法化に対する意見の違いは色々あっても、コロナ禍の第6波のさなかの今やるべきではない」と強調。独法定款に賛成した会派も含めて「今は立ち止まることを心から訴える」と呼びかけました。
小池知事は「昨年3月の第3回定例会で法人の定款を議決いただいた」「7月の設立に向け、引き続き必要な準備を着実に進めていく」と強弁。米倉都議は「聞いたことに答えていない」として再質問し、「施政方針で、なぜ一言も触れなかったのか、都民のみなさんに分かるように、きちんと丁寧に説明を」と迫りました。知事は席を立たず、西山智之病院経営本部長も答えませんでした。
病床削減も推進
米倉都議は「都立・公社病院の独法化は、医療費や公共サービスを削減する、自民党政権による新自由主義の具体化に他ならない」と強調。予算案に消費税を財源に都内医療機関の病床を削減する病床機能再編支援事業1億6000万円を計上したことも重大だと批判しました。
後手のコロナ対策
小池知事は新型コロナ感染拡大の第6波で猛威を振るう変異株オミクロン株に対して、「先手先手の対策を講じ」「効果は着実に表れています」と胸を張りました。
これに対し米倉都議は「対策は後手後手だ」と批判。都民生活や医療、保健所、介護施設、学校、保育園などの現場の実態は極めて深刻で、重症者や死亡者が急増していると指摘。都の一日当たり13万件の検査能力に対して実際の検査数が6万件をピークに減少していること、3回目のワクチン接種も遅れていることをあげ、「コロナ危機が始まって以来、最も深刻な事態という認識で対策を講じる必要がある。検査能力を十分活用できていない原因を明らかにし、必要な人が迅速な検査を受けられるようにすべきだ」と提言。佐藤智秀・都健康危機管理担当局長は「必要な検査を受けられる体制を確保している」と、実態から目をそらす答弁をしました。
米倉都議はまた、国が検査への診療報酬を大幅に引き下げ、検査をするほど赤字になるとの声が上がるもとで、PCR検査1件当たり5000円を補助する海老名市(神奈川県)のような都としての検査補助が必要だと主張。学校や保育園での子どもたちへの定期検査、高齢者施設での週1回のPCR検査を週二回に増やすことなどを提案しました。
都が打ち出した陽性者の「自分で健康観察」という方針について、「放置と言わざるを得ない」と批判。保健所やフォローアップセンター、食料配布などの支援体制強化を要求。市町村長から保健所増設を求める意見が相次いでいることをあげ、「保健所増設を決断すべきだ」と求めました。