都議会一般質問 放課後デイの減収補って 原都議 障害者施策の充実を提起
- 2022/3/8
- 都政・都議会
日本共産党から2人目の一般質問(2月24日)に立った原純子都議(江戸川区選出)も、初めての本会議質問です。原都議は自ら職員として働いた経験を踏まえて、「放課後等デイサービス」の拡充について質問しました。

同サービスとは、小学校1年生から高校3年生(6歳から18歳、特例で20歳まで)の障害や発達に特性のある子どもが利用できる福祉サービス。2012年の制度化以降、同サービス事業所は都内約1000カ所まで広がり、現在約2万人の子どもが利用しています。原都議は「様々な生きづらさを抱える子どもたちですが、どの子も社会の中で愛され、安心した環境で育つ権利があり、放課後等デイサービスは大事な居場所の一つ」と強調しました。
ところが国は昨年4月、報酬を改定。都の調査(昨年6~7月)によると、1年前と比べて都内事業所の7割が減収し、そのうち10%以上の減収は47%にのぼっています。この影響で、3事業所を合わせて年間1200万円の減収になる法人があるなど、存続が危ぶまれる事業所も生まれています。
原都議は減収の大きな要因である、職員配置に関する加算の変更による減収分を補てんする補助が必要だと指摘。都の補助要件とされる午後7時までの開所や自宅までの送迎について「支援の質の向上とは別の問題」だとして、補助要件としないよう求めました。
原都議はさらに、「根本問題は放課後等デイサービスの職員配置基準(利用児童10人に職員2人)が低すぎることだ」と強調。「職員配置基準の引き上げを国に求めるとともに、都の条例で定めている基準の引き上げを」と提起。他にも研修への職員参加や実践交流などへの財政支援や障害福祉サービス等宿舎借り上げ支援事業の拡充を提案しました。
その上で、「福祉を支えるのは人。利用者、家族に寄り添い、専門性を磨きながら働き続けられることこそ、福祉の質を高める」として、「障害福祉にかかわるみなさんを励ます施策を進めるよう求める」と訴えました。

小池知事は放課後等デイサービスについて「子どもたちが安全・安心に過ごせる居場所として、重要な役割を担っている」との認識を示し、「都独自の支援策を新たに講じ、サービスの質の向上を後押ししていく」と答弁。中村福祉保健局長は「専門性を確保するため、児童福祉事業に5年以上従事した保育士・児童指導員も専門的支援加算の対象とするよう国に提案要求している」とのべました。
(東京民報2022年3月6日号より)
〈WEB版追記〉原純子都議の質問全文は共産党都議団ホームページに
東部低地帯の水害対策を 本会議一般質問で原都議
〈2022年2月13日号より〉
都議会本会議一般質問(2月24日)で原純子都議(江戸川区選出)は、待ったなしの災害対策に、都として全力で取り組むよう要望。「区内の7割が標高ゼロ㍍地帯に住む江戸川区民をはじめ、東部低地帯に住む250万都民にとって、豪雨・台風への対策は、緊急かつ最大の課題」だとして、知事の認識をただしました。小池知事は「ハード・ソフトの両面から、東部低地帯などの大規模風水害対策を着実に進めていく」と答弁しました。
原都議は住民を立ち退かせ貴重な緑地も失い、住民の反対をおして国や都が推進する江戸川の高規格堤防(スーパー堤防)について、「治水対策にならず、住民犠牲で街壊しの高規格堤防事業は中止し、真に地域コミュニティを守る政策への転換を」と主張。その上で、越水しても壊れにくい堤防
として国が再評価する「被覆型堤防」の工法の研究・実施を国に求めるべきだと提起しました。
原都議はさらに▽堤防や水門などを耐震・耐水強化する整備計画の前倒し▽74万人分の広域避難先確保の具体化▽垂直避難場所確保へ都営住宅の建て替え時の上層階への集会室設置▽誰が、いつ、何をするかを地域で共有し明確にする「コミュニティタイムライン」を都が実施する町会、自治会向けのリーダー研修で位置付ける―などを提案しました。
榎本雅人住宅政策本部長は、都営住宅の垂直避難場所の確保について「地元自治体から要望があれば上層階への整備について協議に応じており、引き続き適切に対応していく」と答弁。村松明典総務局長はコミュニティタイムラインについて、「地域における先行事例等も踏まえ、研修内容を充実させることで、地域防災力の向上を図っていく」としました。
〈東京民報2022年3月13日号より〉