ウクライナを侵略するロシアが4日、ヨーロッパ最大級と言われるザポロジエ原発を攻撃しました。放射能漏れは確認されていないものの、稼働中の原発が軍事攻撃を受けたのは、史上初めてといいます▼3月はちょうど、福島原発事故から11年目の時期にあたります。専門家も、ザポロジエ原発で電源喪失などの事態が起きれば、福島原発を超えるような重大な事故が起こりかねないと危険性を指摘します。事故の規模や気候条件によっては、ヨーロッパやロシア、さらには世界規模での大惨事を招きかねない、文字通りの愚行です▼世界にロシアの侵略への抗議の声が広がり続けています。国連総会は3日、141カ国の圧倒的多数の賛成で、ロシアの国際法違反を非難し、即時の軍事行動中止を求める決議を採択しました。141カ国のうち、75カ国が非同盟諸国会議に参加する国々で、一握りの大国のパワーバランスで国際政治が動く時代が終わり、非同盟・中立の多数の国が平和の流れを促進する、世界の変化を感じさせます▼ロシアの原発攻撃は、原子力発電に頼り続ける限り、人類が抱えるリスクの大きさを改めて示しました。核兵器廃絶と原発ゼロを今こそ。まして、日本維新の会がいう「核共有」など、論外でしょう。
〈東京民報2022年3月13日号より〉