ただちに運用中止こそ 羽田新ルート 白石たみお都議〈2022年3月20日号〉

 都議会は7~9日、一問一答形式で論戦を交わす予算特別委員会を開きました。日本共産党からは白石たみお、とや英津子、曽根はじめ、原田あきら、原のり子の各都議が、都政の重要課題で小池百合子知事をただしました。

白石たみお都議

 「騒音や落下物のリスクを回避する方法は、羽田新ルートの運用をやめる以外にない」。白石たみお都議(7日)は、開始から2年が経過しようとしている羽田空港の新飛行ルートについて、7区議会に新ルート凍結の陳情が提出されていることをあげ、運用の中止を強く迫りました。

 白石都議はコロナの影響で、羽田空港の発着便は国際線で7割、国内線は2割減便なのに、航空機騒音の発生回数は江戸川区で2万回を超え、運用2.6倍に急増していると指摘。「精神的にまいってしまう」「うる さくて窓が開けられない」など、日常生活を脅かす深刻な事態になっているとし、小池知事の認識をただしました。

 知事は「騒音・安全対策の実施など様々な意見があることは承知している」「(国は)地元の理解が得られたものと判断したと理解している」と答弁。白石都議は他人事のように言うが、羽田新ルートが住民合意もなく開始されたのは知事と都が要望し、「お墨付きを与えたことが原因」だと指摘。「理解を得られたというのは、とんでもない話だ」と批判しました。

 白石都議はまた、環境基本法に基づき知事が指定する環境基準の適用地域について、大田区と品川区、港区の一部に限られていると告発。「知事自らできる本来やるべきことをすぐにやるべきだ」と迫りました。

検査拡充を要求

 白石都議は新型コロナの新規感染者は1 月以降だけで60万人を超え、1日当たりの新規陽性者は高い水準が続いているとし、知事に認識を問いました。小池知事は、新規陽性者は減少傾向にあるとし「感染の減少傾向を確かなものにするためにも引き続き、緊張感をもってコロナ対策に取り組んでいく」と答弁。

 白石都議は「新規陽性者は高止まりというべき状況」「再拡大の危機も指摘されており、対策の強化が急務だ」と反論。検査が必要な人が受けられない実態を示し、「検査がすぐに受けられなければ治療が遅れるだけでなく、周囲にウイルスを広げ、いっそう感染が拡大する」と指摘。検査不足の指標となる陽性率の高い数値やオミクロン株も踏まえて、検査体制の強化を強く求めました。

 福祉保健局の佐藤智秀・健康危機管理担当局長は「必要な検査体制は確保している」と強弁。白石都議は「検査能力1日10万件の検査すらできていない」と指摘。診療・検査医療機関への財政的・人的支援、高齢者施設での集中的検査の拡充を求めました。

深刻化する生活支援を  コロナ禍  とや英津子都議

 生活保護受給者が2年連続で増加し、都庁下の支援活動の利用者がコロナ禍前の5倍になっているなど、コロナ禍で都民の生活はいっそう深刻化しています。とや英津子都議は小池知事に対し、そうした実態を示した上で「一日一日を生きていくことにも必死な都民の姿を直視し、支援の現場でどういう実態があるのかに光をあて、対策を強化すべきだ」と迫りました(8日)。

とや英津子都議

 とや都議は、支援団体「反貧困ネットワーク」への相談者の8割以上が住まいを失った人だとし、「住まい確保への支援が何より強く求められている」と強調。「都として公社住宅の家賃低廉化補助を適用するなど、住宅確保要配慮者であるシングルマザーや低収入の女性、若者などが安い家賃で入居できるようにすべきだ」と求めました。

 榎本雅人・住宅政策本部長は家賃低廉化補助の適用について、「地元自治体による当該補助の実施が前提であり、空き状況や地元自治体の意向を踏まえながら検討していく」と答えました。

 とや都議は「都が公社住宅を活用することは一歩前進だ」と評価。その上で「現在の民間住宅を活用する住宅セーフティネット制度では限界がある」として、石原都政以来、止まったままの都営住宅の新規建設に踏み出すことを求めました。

生活保護は権利と

 とや都議は、生活保護を申請しても窓口で追い返されるなど、生活困窮者への理不尽な対応を示し、「行政の窓口で追い返すようなことはあってはならない」と追及。

 中村倫治・福祉保健局長は「国の通知に基づき、生活保護の申請の意思が示された場合には、申請を受け付けなければならない旨を通知している。各福祉事務所において適切に対応されるべきもの」と答えました。

 とや都議は「自己責任を押しつけられ、生活保護を受けることを恥と感じている人も多い」として、「都として区市に生活保護申請は権利であることを徹底すべきだ」と強調。「あらゆる機会を活用して積極的に権利であることを市区に徹底すること」を求めました。

困窮者への医療

 住居を失い、困窮した人が感染疑いや感染が判明しても、必要な診療や療養を受けられないケースが多発しています。とや都議は「人道上、感染拡大防止の点からも極めて重大な問題だ」と指摘。通常時でも生活保護未受給者が緊急搬送された場合に、生活保護の柔軟な運用で医療扶助により自己負担なしで受診できることをあげ、「発熱外来に適用して保険証や所持金がなくても、診療を受けられるようにすべきだ」と提起。

 中村福祉保健局長は住まいを失った人への対応について、「医療機関や保健所等と連携を図り、医療や療養につなげることが必要。福祉事務所において個々の状況に応じて、適切に対応するよう周知している」と答弁。生活保護の柔軟な運用についても、「福祉事務所の判断により、医療扶助を遡及して適用が可能」としました。

 とや都議は実際には適用されていないことが問題だとして、都として周知するよう求めました。

外環中止求める

 国やネクスコ東日本・中日本が進める東京外環道の建設工事で、住民が工事差し止めを訴えていた本線トンネルのうち、南側約9キロメートルについて東京地裁が工事差し止めの仮処分決定を下しました(2月28日)。

 とや都議が決定の受け止めをただしたのに対し小池知事は、「外環は首都圏における交通・物流の根幹をなす重要な道路」と強調。事業者に対して再発防止の実施や丁寧な説明などを要望しているとしただけでした。

 とや都議は都民の命と暮らしを守る立ち場にある知事の答弁として「本当に情けない」と落胆。被害住民のやるせない心情と、被害を訴える住民への不誠実な事業者の対応を具体的に示しました。その上で「約1000戸の住宅を破壊し、広い範囲で被害を及ぼしているのに、国・事業者と二人三脚で事業を進めてきた東京都の責任を免れることはできない」と断じ、計画そのものの中止を迫りました。

〈東京民報2022年3月20日号より〉

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