大震災被災者に寄り添って 目黒区が巨額住宅費用で提訴〈2022年3月27日号〉

 2011年3月11日に発生した東日本大震災により宮城県気仙沼市で被災し、東京都目黒区が用意した応急仮設住宅に避難していた女性(67)に対し、同区は昨年7月、住宅の明け渡しと家賃750万円余の支払いを求めて裁判を起こしています。

被災者の女性が区に提訴されるまでの経緯を話す支援する会のメンバーと当人=15日、都庁

取り下げ求め住民が署名

 事件を知った目黒区民の有志らは2月28日に「めぐろ被災者を支援する会」を結成。今月8日、裁判の取り下げを求める要請書を青木英二区長へ提出し、11日から区長あてのオンライン署名を開始。会のメンバーと女性は15日、都庁(新宿区)で会見を開き、提訴に至る経緯や今後の活動などを報告しました。

 訴えられた女性は、夫と気仙沼市で被災。津波により、水産加工場の店舗兼住宅を失いました。避難所の小学校に2人で身を寄せていたものの、震災前にがんの手術を受けていた夫の病状が悪化。被災地では治療が難しいことを市に相談すると、友好都市の目黒区から住宅あっせんの申し出があり、11年5月に目黒区指定の区民住宅に応急仮設住宅(みなし)として入居しました。

 夫の容態は悪くなる一方で、17年に脳梗塞を起こして車いす生活になりました。女性は夫の余命宣告を受けて看病に追われる中、区は宮城県が仮設住宅の利用期限を18年3月末に決定したことを受け、同期日に応急仮設住宅の打ち切りを女性に通知。女性は区営住宅に何度も応募しましたが、落選してしまいます。

 住居が見つからないまま、夫婦は応急仮設住宅の打ち切り日を迎えました。女性は夫の「移動困難」という診断書などを区に提出して退去の猶予を求めたにも関わらず、区は「入居継続は一切認めず」と返答。重篤な夫につきっきりで看病するさなか、区からの退去勧告、弁償金請求の手紙や電話が続き、訴訟提起の予告も通知されました。

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