緑豊かな樹林地を有し、運動機能と防災機能を備える都市計画公園「区立目白台運動公園」(文京区目白台)で、指定管理者のずさんな管理運営に住民から批判の声が上がっています。木材腐朽菌と呼ばれるキノコ等の繁殖により多くの樹木が伐採されるだけでなく、産業廃棄物に当たる大量の汚泥が放棄されている実態が発覚しました。
指定管理者制度とは、「住民のニーズに効果的、効率的に対応してサービスの向上を図る」として、経費の節減を目的に地方自治体が公の施設管理を民間(指定管理者)に任せる制度。文京区は5年ごとに議会で指定管理先を決め、管理者は区に対して年次ごとに事業報告書を提出します。
目白台運動公園の開園は2009年4月で、指定管理者に採用された西武パートナーズ(西武造園・西武緑化)が18年度まで運営。19年度から目白台運動公園パークアップ共同体(一般財団法人公園財団・日本体育施設)が受託。同区では現在51施設が、指定管理者によって運営されています。
この間、公園を利用する近隣住民から「樹木が枯れ、伐採が進んでいる」「区の職員が芝生管理を行っている」などの情報提供があり、かねてより指定管理者制度のあり方を区議会でただしてきた日本共産党の文京区議団は、今年の2月定例議会でも区と指定管理者の責任を厳しく追及。区は同公園の指定管理者に対して、これまで5回もの勧告処分を発出していた事実が明らかになりました。
同党の文京区議団と福手ゆう子都議は3月23日、成澤廣修区長に「区立目白台運動公園に関する質問と要望」を提出。31日に届いた回答では、開園当時の樹木数は中高木1084本、低木5389株でしたが、前指定管理者の受託期間に中高木53本、現指定管理者は現在まで、中高木17本を伐採や倒木により撤去済み。いずれも低木の伐採数は確認できていません。
樹木の一本一本が区民の貴重な財産であり、枯死などにより伐採が必要な場合は、事前に区と協議した上で利用者に周知し、伐採することが定められています。しかし、前指定管理者と区が協議により伐採した樹木数は、文書の保存期間が過ぎているという理由から把握できていません。現指定管理者が協議を経て伐採した樹木は2本。未協議での伐採は、指定取り消しの条件に当たります。