自民党の安全保障調査会が4月21日、政府の「国家安全保障戦略」などの改定に向けた提言案をまとめました▼焦点となっていた「敵基地攻撃能力」について提言案は、名称を「反撃能力」に変更しました。名前を変えても、その攻撃対象は「相手国のミサイル基地に限定されるものではなく、相手国の指揮統制機能等も含む」というもの。「専守防衛」という建前すら投げ捨て、相手国の中枢部までも攻撃の対象とするような動きです▼自民党の提言は、そのために、国内総生産(GDP)比2%を目処に、軍事予算を倍増させることを目指すとしています。社会保障費など暮らしの予算を圧迫する、大軍拡の道です▼平和団体や研究者らが21日、この提言に対して、「憲法の原則を逸脱し戦争への危険を高める」と抗議する緊急声明を発表しました。日本に求められるのは、平和憲法に基づく「周辺諸国との相互的軍縮や緊張緩和の外交」「国際法秩序の回復のための努力」と訴えています▼自民党の岸田首相が3月の党大会で、改憲を「今こそ取り組まなければならない課題」と述べるなど、ウクライナ危機に乗じた改憲の動きを強めるなかで迎える3日の憲法記念日。有明防災公園では3年ぶりとなる、憲法大集会も予定されています。
〈東京民報2022年4月24日号より〉