ジェンダーの平等に光を当てる選挙戦に―夏の参院選で改選を迎える日本共産党の山添拓、田村智子両参院議員が、「政治の力でジェンダー平等を」をテーマに語る、ネット対談企画(4月23日)の動画視聴が広がっています。同党都委員会が開いたもので、コロナ禍のもとでのジェンダー格差、性暴力根絶、性教育など多彩なテーマで語り合いました。
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米倉春奈都議が司会を務め、二人の国会論戦の動画を交えて話し合いました。

男女の賃金格差をめぐっては、田村氏の21年3月の参院予算委員会の質問を紹介。この質問では、女性が多く働く職場で、非正規化や低賃金化が進められてきたことが、コロナ禍のもとで女性に多大な困難をもたらしたことを告発しました。
田村氏は動画の上映後、「(自身が)すごく怒っていましたねー(笑)」と振り返り、「構造的な問題を質問しているのに、答弁は当面の支援策のことばかりだった。女性たちの積年の怒りを代弁する思いだった」と語りました。そのうえで、「コロナ禍では、女性たちの非正規雇用が多く失われたことが統計的にも明らかになった。自分自身としても構造的な問題がはっきりと見えて、複合的な賃金差別の問題として取り上げることができた。コロナ禍のもとでジェンダー平等の声が高まった到達点の一つ」と話しました。
続いて21年12月の、山添氏の予算委員会質問を紹介。この質問では、厚労相が「(役職別などの女性の給与が)男性を100とした場合、80を超える」と答したのに対し、山添氏が「すごく高いように言われているが、2割近く低いということ」と切り返した姿が、ネット上でも話題を呼びました。
山添氏は、同党が繰り返し国会で取り上げる中で、岸田首相が1月に「(男女賃金格差の)開示ルールのあり方を検討する」と答弁したことを報告。有価証券報告書の開示事項として記載を復活させることが決まり、「一歩前進の成果になった。田村さんが取り上げたような構造的な問題を明らかにするよう、もっと開示事項を充実させる必要がある」と強調しました。
性暴力の根絶をめぐっては、山添氏が刑法の性犯罪規定改正の議論の現状を報告し、「世論をさらに広げ、きちんとした改正につなげることが重要な段階」と述べました。米倉都議は、同党都委員会が取り組んできた「痴漢ゼロ」をめぐる都政の前進を紹介しました。
田村氏が参院本会議で、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)のガイダンスを紹介して「包括的な性教育の推進」を求めた質問の動画を上映。田村氏は「(ガイダンスを知って)人間一人ひとりが、人間としてさまざまな人とつながりながら生きていくための大切な教育が性教育なんだと、カルチャーショックを受けた。大人にも子どもにも、そういう教育の場が必要だ」と提起しました。
キャンパス内での性暴力をなくす活動をする大学4年生の男性が発言しました。
参院選に向け、田村氏は「ジェンダー平等を進めることで、一人ひとりが大切にされ、能力を発揮できる日本社会へ、花が開く。若い世代、幅広い人々と連帯し頑張りたい」と表明。山添氏は「ジェンダーの問題に光を当て、政治の課題として可視化することで、多くの人に共有され、社会が動くエネルギーになる。参院選でも、さらに幅広く訴えていきたい」と決意を語りました。
動画の視聴数は9日現在、3300回を超えています。
〈東京民報2022年5月15日号より〉