ロシア外務省が4日、入国禁止措置をする日本人63人のリストを公表しました。岸田文雄首相や閣僚とともに、首相以外の政党トップとして唯一、入っていたのが日本共産党の志位和夫委員長でした▼日本共産党はウクライナへの侵略が始まった当初から、ロシアの行為を国連憲章と国際法に違反すると批判してきました。志位委員長への入国禁止の決定は、こうした主張をロシアがいかに恐れているか、はからずも示したものでしょう▼日本の外交戦略にとっても、いま求められているのは「国連憲章に基づく平和秩序の回復」という一点で国際社会が団結するよう促すことです。他方、岸田首相や自民党から聞こえてくるのは「敵基地攻撃能力」など、軍事対軍事の対応ばかりです▼3日の憲法集会では、市民連合の中野晃一上智大教授があいさつで、「安全保障には『抑止』と並んで、相手の死活的利益を踏みにじることはしないという『安心供与』が必要」として、「日本が9条をなくしたら、安心供与の破壊となる。9条があってこそ、安全保障が成立する」と語りました▼憲法9条を生かした外交こそが力を発揮する時です。互いに軍備を強化する道は、平和を脅かし、際限ない軍拡が国民生活を破壊する道にしかつながりません。
〈東京民報2022年5月15日号より〉