【健康コラム】主要な伝播経路は空気感染 室内ではHEPAフィルターと紫外線の活用も〈5月29日号より〉
- 2022/5/25
- コラム・オピニオン
新型コロナの感染は減って増えて。決まり台詞が浮かんでくるねえ。“お後が宜しいようで”
いやいや宜しい、のお後の備えがない。この国の時の政権の感染対策は自助となりゆき任せだからなあ。
関心はあっちで9条改憲に敵基地攻撃能力の保有、軍事費11兆円超の増。
世界は違ってウイルス研究を急速に進めています。
そして衝撃の報告です。(Science 2021.8.27)
“室内空間の咳やくしゃみによる飛沫を遮断するために設置された間仕切りが感染を増やす”
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ど、どういうことか。
間仕切りは空気の流れを妨げ、高濃度エアロゾルを呼吸域に閉じ込めるから。
エアロゾルは、呼吸、会話、咳などほとんどの呼気(肺から体外に吐き出す空気)活動で発生します。
大部分は5μm未満の粒子で空気中に数時間漂う。漂う間、粒子の水分は蒸発し、ウイルスを含む呼気エアロゾルは濃縮・高濃度になり、換気の悪い空間の空気中に蓄積していく。
感染はそのエアロゾルを吸って。これが空気感染で主要な伝播経路です。
先の衝撃報告者はいう。“主に換気、気流、空気ろ過、紫外線消毒、マスク着用に重点をおいた追加の予防策の実施が必要である”
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窓開かず換気環境の悪い室内(事務所も)は多い。
これにも研究者は感染予防策を探っていました。
市販HEPAフィルター付き空気清浄機を使う。
結果、“空気中のウイルス粒子の除去を確認した”。(Nature 2021.10.6)
市販の上層空気殺菌器を使う。(エアロゾルが蓄積しやすい室内上層に紫外線を水平放射、空気を殺菌)
結果は、“漂うウイルスを不活化させた”。(JAMA 2020.6.1)
伝播の理解の進歩に感染症の見方・対処法を変えるべき(Science 2021.5.14)に賛成!
(上野敏行)
(東京民報2022年5月29日号より)