戦争惨禍を伝える一歩に 東京大空襲 都が資料のデジタル化へ〈2022年6月5日号〉

 東京都平和の日記念行事企画検討委員会が5月24日に開かれ、都が90年代に平和祈念館(仮称)の建設に向けて集めた東京大空襲の証言映像330人分や、遺品などの資料約5000点のデジタル化を図り、活用や公開を進めていく方針を固めたことが明らかになりました。

 都は証言映像や資料の公開に当たり、当事者の意向を確認し、慎重に検討を進めるとしています。

 証言映像は、都が1億円の公費を投入。東京大空襲の惨禍を後世に伝えるため330人が自身の空襲体験を語り、映画監督の渋谷昶子のぶこ氏(故人)らが制作しました。

 しかし、平和祈念館(仮称)の展示内容に関して都議会で反対の声が上がり、99年に建設計画は凍結。都が毎年3月に主催する東京空襲資料展で9人の証言映像のみ公開していますが、321人分の映像と資料は東京都庭園美術館(港区)の倉庫に眠っています。

 デジタル化の報告を受けた「東京都平和祈念館(仮称)建設をすすめる会」の世話人を務める柴田桂馬氏(92)は、東京民報の取材に「ようやく都が姿勢を変えた点は前向きに評価したい」と述べ、「今後どのように具体化を図っていくのか見守りたい」と発言。都が1990年に制定した「東京都平和の日条例」、1995年に採択した「東京都民平和アピール」の内容に基づき「映像と資料を最大限に公開することは都の使命であり、戦争惨禍を繰り返さないための具体的な平和政策」と語りました。

〈東京民報2022年6月5日号より〉

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