【書評】上野動物園の3・11 『どうぶつえんにいらっしゃい』 本木洋子 文/しろぺこり 絵

 2011年3月11日、巨大地震がありました。その後の津波、さらには福島原発事故と惨劇の3月、人間はそれはそれは大変でしたが、動物園の動物たちはどうだったのでしょうか。この絵本は上野動物園の「その日」を描いています。

 「春がちかづいてちょっぴり暖かくなった日、上野どうぶつえんにはたくさんの人がきていました」。お昼を過ぎた頃、アジアゾウのダヤーとスーリヤはピッタリと寄り添うとパオーン!と大きな声をあげました。異変を察知したようでした。

新日本出版社 2021年 1400円+税 もとき・ようこ 東京生まれ。日本児童文学者協会会員/シロペコリ 1977年東京都生まれ。『クジラと海とぼく』(2010年、アリス館)の装画・挿絵を担当

 グラッ!突然地面が揺れるとタテガミオオカミのジグとエノンはびっくりして昼寝から飛び起き、運動場をグルグル走り回りながら部屋に逃げ込んでしまいました。

 グラッ!はグーラグーラとなり、ゾウが遊ぶプールの水は波のように揺れてあふれそうで、見ていた人たちは柵につかまったり、しゃがみこんだりしてしまいました。

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