足立区の区民や「九条の会」などが中心となってつくる「『九条の碑』を建立する会」は19日、約1年半の歳月をかけて完成した「九条の碑」(足立区柳原)の除幕式を行いました。参加者の熱い視線が向けられる中、白い幕が外され、直径1㍍の銀色に光る球体が姿を見せると、参加者から喜びの拍手が湧きました。
「九条の碑」の頂点に「9」の数字、周囲には憲法9条の条文(1・2項)がらせん状に刻まれています。ステンレス製で、鏡のような表面に碑文を読む人の姿が写ります。「平和を自分のこととして考えるきっかけに」(デザイン担当の吉田錦次さん)との願いが込められています。
除幕式で会共同代表の石川晋介医師は「全国から様々な支援があって、きょうを迎えることができた。改憲の動きが強まるが、憲法を変えるのではなく世界に広げていくことが大事。碑の完成で終わりではなく、憲法の歴史、これからのあり方を考える端緒にしてほしい」とのべました。
九条の会事務局長の小森陽一・東京大学名誉教授と同会世話人で国際ジャーナリストの伊藤千尋氏らがあいさつ。小森氏はロシアのウクライナ侵略に触れ、「ロシアの東側の隣国は日本。その日本が9条で国際問題をどう解決していくかが大事だ」と強調。「(戦争のための)集団的自衛権の行使をなくせと言えるのは憲法9条をもつ日本だ。そういう日本にするために碑を心に刻んで頑張っていきましょう」と訴えました。