【 #Web東京民報 連載】東京わがまち⑱ 朝顔市
- 2022/6/27
- WEB版連載
「1鉢2000円。ほら、たくさんつぼみがあるだろー。種を取るんなら9月に咲いたやつにしな、8月までに咲いた花は摘むんだよ。水やりは2回、夜露にあてるといいよ」。おねえさんの活きのいい声が、あちこちから聞こえてくる。売り子には声がよく通る女性が多い。
入谷の朝顔市は、入谷鬼子母神のあたりから言問通りに120軒の店が並ぶ。道路の反対側には、露店が100軒ほど出て賑わう。江戸時代から、入谷で盛んだった朝顔栽培はすたれたが、戦後、朝顔市として開催。毎年7月の6、7、8日の3日間行われ、40万人が訪れる。
朝顔市が終われば、9、10日は浅草観音さまの四万六千日、ほおずき市だ。
写真・文 夏目安男
〈東京民報 2015年7月5日号より〉
※WEB版追記 写真家の夏目安男さんは2021年12月に亡くなりました。ご遺族の許可を得て、東京民報での連載「わがまち東京」をWeb版連載として掲載します