首都直下地震 「自分のシナリオ」考えて  被害想定10年ぶり見直し〈2022年7月10日号〉

 東京都の首都直下地震などの被害想定が5月に10年ぶりに見直され、都市の変化に伴う新たな被害や課題が指摘されました。想定をもとに都民がどう対策を進めるかを考える学習会が開かれ(6月8日)、改定作業の中心をになった東京都防災会議地震部会で部会長を務めた平田直東大名誉教授が講演しました。被害想定の特徴や、見えてきた課題を講演から紹介します。

首都直下地震の被害想定について説明する平田氏=6月8日、豊島区

地震部会 平田部会長が講演

 東京災害対策連絡会、革新都政をつくる会、東京地方労働組合評議会が主催しました。

 平田氏は、被害想定を10年ぶりに見直した意義を、「地震の起き方には、この10年で大きな変化はないが、都市の変化により、被害の起き方に変化が生まれた。それを、想定に盛り込んだ」と紹介しました。

 被害想定は従来、地域防災計画の避難所数などに反映するため、数を特定できる「定量評価」が中心でした。これに対し平田氏は、今回の被害想定の特徴として、定量的に評価することが難しい複合災害などの「定性評価」も含めて、幅広く評価したと話しました。

死者数など減少

 もう一つの特徴として、「甚大な被害量を算出するのみでは、都民に絶望感を与えるのみになってしまう恐れがある」と述べ、この10年間で進んだ対策の効果も、わかりやすく伝えるようにしたと強調しました。

 被害想定で最大の被害をもたらすと予測したのは、冬の夕方に、都心南部を震源とするマグニチュード7.3の地震が発生したケース。死者は6148人、負傷者9万3435人としています。

 甚大な被害ではあるものの、この10年間の不燃化・耐震化などの取り組みの成果で、従来の想定での、最大の死者数9641人、負傷者14万7611人に比べて大きく減っています。

関連記事

最近の記事

  1. 杉並区 予算案を可決  杉並区議会は18日、岸本聡子区長が提案する2024年度一般会計当初予…
  2. 1面2面3面4面 【1面】 全盲の学生 「自分の力で通学したい」 大学前に音響信号ついた…
  3. 日本記者クラブで講演=3月19日、千代田区  新たな任務にたくさんの激励、期待の声をいただい…
  4.  自民党の裏金問題をめぐる衆院政治倫理審査会に18日、下村博文元文部科学相が出席しました。下村氏は…
  5. 都庁の第庁舎に映し出されたPM映像  都が2月から新たな観光資源にするとして都庁舎の壁面に映…

インスタグラム開設しました!

 

東京民報のインスタグラムを開設しました。
ぜひ、フォローをお願いします!

@tokyominpo

Instagram

#東京民報 12月10日号4面は「東京で楽しむ星の話」。今年の #ふたご座流星群 は、8年に一度の好条件といいます。
#横田基地 に所属する特殊作戦機CV22オスプレイが11月29日午後、鹿児島県の屋久島沖で墜落しました。#オスプレイ が死亡を伴う事故を起こしたのは、日本国内では初めて。住民団体からは「私たちの頭上を飛ぶなど、とんでもない」との声が上がっています。
老舗パチンコメーカーの株式会社西陣が、従業員が救済を申し立てた東京都労働委員会(#都労委)の審問期日の12月20日に依願退職に応じない者を解雇するとの通知を送付しました。労働組合は「寒空の中、放り出すのか」として不当解雇撤回の救済を申し立てました。
「汚染が #横田基地 から流出したことは明らかだ」―都議会公営企業会計決算委で、#斉藤まりこ 都議(#日本共産党)は、都の研究所の過去の調査などをもとに、横田基地が #PFAS の主要な汚染源だと明らかにし、都に立ち入り調査を求めました。【12月3日号掲載】
東京都教育委員会が #立川高校 の夜間定時制の生徒募集を2025年度に停止する方針を打ち出したことを受けて、「#立川高校定時制の廃校に反対する会」「立川高等学校芙蓉会」(定時制同窓会)などは11月24日、JR立川駅前(立川市)で、方針撤回を求める宣伝を21人が参加して行いました。
「(知事選を前に)税金を原資に、町会・自治会を使って知事の宣伝をしているのは明らかだ」―13日の決算特別委員会で、#日本共産党 の #原田あきら 都議は、#小池百合子 知事の顔写真と名前、メッセージを掲載した都の防災啓発チラシについて追及しました。
ページ上部へ戻る