来年の都立高校入試から初めて活用が予定される「中学校英語スピーキングテスト(ESAT‐J)」の導入見直しを求める市民大集会が18日、都議会棟会議室で開かれ、オンラインを含め約200人が参加しました。
ESAT‐J(イーサットジェー)は、都立高校の入試で合否を判定する成績の一つとなり、今年11月27日に都内公立中学校の3年生約8万人を対象に一斉に実施します。受験者が専用のタブレット端末に解答音声を録音し、結果は6段階で評価。来年2月に行われる都立高入試の出願時に調査書に記載されます。
集会では元公立中学校教員の吉岡潤子さんが「ESAT‐Jの概要と問題点」を報告。公平で客観性のある採点ができないことや、100点満点を20点満点に換算する不合理性、ESAT‐Jを請け負う民間教育会社ベネッセが販売する教材GTEC(ジーテック)とそっくりなため、塾や予備校に通える家庭との経済格差が学力格差を拡大するなど、様々な問題を告発。「大きな入試制度の変更になるのに十分な説明もないままの実施は、大きな混乱を招く」として、「一日も早い再考を」と求めました。
保護者も憤り「説明ない」
「ESAT‐Jの入試活用をストップすべき8つの理由」と題したシンポジウムでは、保護者、中学・高校の各英語教員、研究者が発言し、それぞれの立場から問題を提起。2人の保護者は学校からはプリントが配られただけで説明がないと告発。大学2年、高校2年、中学2年の3人の子を育てる母親は「テストをこっそりとやろうとしているようで憤りを感じる。保護者が代弁して声をあげるしかない」と訴えました。