来年10月から導入が予定されているインボイス(適格請求書)制度をめぐり、社会保障の充実や貧困と格差の是正を目的とする「公正な税制を求める市民連絡会」(共同代表・宇都宮健児弁護士ら)が8日、岸田文雄首相と鈴木俊一財務相あてに「インボイス制度導入に関する質問書」を提出し、財務省に対して同制度の導入延期を申し入れました。

同連絡会は、インボイス制度の導入が小規模・零細事業者やフリーランスに大きな影響を与えると言われているものの、納税者の多くはインボイス制度を理解・納得できていない状況で開始することを危惧。質問書では、①導入時期について②小規模・零細事業者が不利益を被る可能性と対応策③税負担の水平的公平性の毀損と対応策④簡易課税制度の事後的適用による救済措置の導入等について⑤帳簿作成の事務負担と対応策⑥個人情報の保護について―の6項目に対する回答を求めています。
申し入れ後の記者会見で、宇都宮氏が財務省の対応を説明。インボイス制度の施行延期などを求めましたが、財務省側は「すでに法律で決まったこと。導入に向けて粛々と準備をしている」という旨の回答で、総じて「我々が期待する答えは得られなかった」と述べました。