米空軍が、不具合による事故が相次いだとして地上待機を命じていた、特殊作戦機CV22オスプレイの飛行を再開しました▼不具合はエンジンとプロペラをつなぐクラッチが、滑りを起こすというものです。こうした事象が起きると、動力を失わないように、オスプレイはもう一つのエンジンがプロペラにつながるよう設計されています。動力が移行した後、クラッチが再結合した際に起きる衝撃で、機体がよろめいて、緊急着陸を余儀なくされる、とアメリカの軍事専門誌などが報じています▼オスプレイはこれまでも、墜落など安全に関わる問題を起こし続けてきました。日本国内でも緊急着陸を繰り返しているほか、回転翼機が安全に緊急着陸するのに欠かせない自動回転(オートローテーション)が訓練項目にないことも2021年に分かっています▼クラッチの不具合を米軍は2010年には把握していたといいます。それでも、なぜ滑るのか原因は、いまだに不明で、根本的な解決は長期的課題だといいます▼米側は、パイロットの訓練などで安全を確保できるとしており、日本政府もそれを追認しています。「欠陥を抱えたオスプレイを、私たちの頭上で飛ばすな」―周辺住民の怒りと心配の声は、当然のものです。
〈東京民報2022年9月11日号より〉