街角の小さな旅26 ものづくりの街感じる町歩き すみだ小さな博物館と墨東界隈(2022年10月2日号)

 すみだの街を歩いていると小さな博物館とか工房ショップなどの小さな看板をさりげなく掲げているお店や建物に出会います。これは墨田区が区内中小企業・業者の振興のためにすすめている「3M運動」に参加している企業・業者の博物館や工房などです。

 3つのMとは工場や作業場、自宅を利用して墨田区の産業や文化に関する製品や道具、文献などのコレクションを展示している「小さな博物館」、工房と店舗の機能を備え製造と販売を一体化した「工房ショップ」、付加価値の高い製品を創る技術者「墨田マイスター」のことです。

小さな博物館の看板

 例えば、都営地下鉄の菊川駅の近くには、私たちの身近にある名刺や封筒などの紙製品を展示している「名刺と紙製品の博物館」、東武鉄道の本所吾妻橋駅近くにはガラス製造に関する本を展示、廃盤となった硝子製品などを販売する「ちいさな硝子の本の博物館」、同スカイツリー駅のそばの「屏風博物館」では伝統的な屏風にくわえ着物の帯や現代的な図柄を使った屏風を製造・展示。その他、「折箱博物館」「相撲写真資料館」など60近い、それはそれは小さな博物館や工房ショップ、マイスターの店舗などが区内各地に展開しています。ガイドブックはJR両国駅横の観光案内所や区内に点在する街あるき案内処で。墨田区ホームページでも案内。

両国駅近くの力士像

 この3M運動のとりくみには中小企業振興の前史があります。それは戦後、高度成長期を通じて1万社近くにも発展した墨田区のものづくりが大企業の区外移転などで衰退に向かったときに、日本共産党区議団が中小企業振興にむけた提案活動を開始。業者は「十人十色みんな違う顔を持っている」として区内業者の全調査=悉皆しっかい調査と中小企業振興条例の制定を提案したことに始まります。

 この提案と業者の運動を受けて、墨田区が1977年に全係長職を動員した区内9313社の調査を実施。この調査をふまえて全国で初めての中小企業振興条例が制定されたのです。

 現在、墨田区は、23区のうち工場数で第2位、製造業で第3位の位置を占め、「日常生活関連商品・技術の供給地」(墨田区)となっています。

 墨堤(ぼくてい)の街、江戸文化の息づく街、大相撲の街、そしてものづくりの街。そんな町歩きを楽しんでみませんか。

隅田川の堤

名にし負はば いざこと問はむ都鳥 わが思ふ人はありやなしやと

在原業平

 墨堤として親しまれている隅田川の堤。その昔、奈良時代には京の都と奥州を結ぶ東海道が三浦半島から須走の海を渡って房総半島の上総、下総の国を経て、当時はまだ江戸湾最深部にあたっていた古隅田川の今戸、現在の橋場のあたりの渡しを渡って古奥州街道につながっていました。

関連記事

最近の記事

  1. 「フランチャイズで働く私たちにも人権がある」と訴える学研教室の先生と弁護団ら=11日、千代田区 …
  2. 署名を提出する会のメンバー=15日、狛江市  こまえ図書館住民投票の会は15日、松原俊雄市長…
  3.  国土交通省は、日本共産党の宮本徹衆院議員の質問主意書への答弁書(5日の閣議決定)で、羽田空港での…
  4.  超党派議員の国会議員でつくる「羽田低空飛行見直しのための議員連盟」は11日、国土交通省から先月に…
  5.  日本共産党都議団は12日、米軍横田基地に核搭載可能な米空軍のB52H戦略爆撃機が飛来したことに対…

インスタグラム開設しました!

 

東京民報のインスタグラムを開設しました。
ぜひ、フォローをお願いします!

@tokyominpo

Instagram

#東京民報 12月10日号4面は「東京で楽しむ星の話」。今年の #ふたご座流星群 は、8年に一度の好条件といいます。
#横田基地 に所属する特殊作戦機CV22オスプレイが11月29日午後、鹿児島県の屋久島沖で墜落しました。#オスプレイ が死亡を伴う事故を起こしたのは、日本国内では初めて。住民団体からは「私たちの頭上を飛ぶなど、とんでもない」との声が上がっています。
老舗パチンコメーカーの株式会社西陣が、従業員が救済を申し立てた東京都労働委員会(#都労委)の審問期日の12月20日に依願退職に応じない者を解雇するとの通知を送付しました。労働組合は「寒空の中、放り出すのか」として不当解雇撤回の救済を申し立てました。
「汚染が #横田基地 から流出したことは明らかだ」―都議会公営企業会計決算委で、#斉藤まりこ 都議(#日本共産党)は、都の研究所の過去の調査などをもとに、横田基地が #PFAS の主要な汚染源だと明らかにし、都に立ち入り調査を求めました。【12月3日号掲載】
東京都教育委員会が #立川高校 の夜間定時制の生徒募集を2025年度に停止する方針を打ち出したことを受けて、「#立川高校定時制の廃校に反対する会」「立川高等学校芙蓉会」(定時制同窓会)などは11月24日、JR立川駅前(立川市)で、方針撤回を求める宣伝を21人が参加して行いました。
「(知事選を前に)税金を原資に、町会・自治会を使って知事の宣伝をしているのは明らかだ」―13日の決算特別委員会で、#日本共産党 の #原田あきら 都議は、#小池百合子 知事の顔写真と名前、メッセージを掲載した都の防災啓発チラシについて追及しました。
ページ上部へ戻る