道路で開発は時代遅れ 国立市 自然と生活守る市民集会〈2022年10月23日号より〉

 国立市の西部を南北に貫く全長約2300メートル、幅員25メートル以上の都市計画道路「国立3・3・15号線(中新田立川線)」の建設見直しを求める市民らが15日、市内で「第1回くにたちの自然と生活環境を守る市民集会」を開きました。主催は2020年3月に市内在住の主婦3人が立ち上げた、「くらしと道路問題を考える国立市民の会」です。

3・3・15号線道路建設計画の現状を説明する会のメンバー=15日、国立市

 国立3・3・15号線は、1961年に都市計画決定された幹線道路。北は隣接する立川市の都市計画道路3・3・30号線(同市羽衣町など)に接続し、南はすでに整備された、甲州街道以南に延びるいずみ大通り(谷保)につながります。

 東京都は2016年に公表した都市計画道路の整備方針(第4次事業化計画)で、おおむね10年間で優先的に整備すべき道路に、国立3・3・15号線と、同市を東西に分断する国立3・4・5号線(さくら通り)を選定。市はこれを受け、2018年に「国立市都市計画マスタープラン(第2次改訂版)」を作成し、道路建設を進めています。

 計画道路の沿線には保育園や幼稚園、小学校があり、東京女子体育大学のグラウンドを通過。立川段丘の崖下から湧き出る豊富な水を源流とする約1.5キロ、幅約2メートルの矢川の上を2本の幹線道路が通り、近くには多彩な動植物が生息する矢川緑地が広がることから、水脈や自然環境への影響も懸念されています。

 国立3・3・15号線だけで50軒以上の立ち退きが迫られており、さらなる増加が予想されます。しかし、立ち退きの補償額は不動産価格などの7割強で、残地部分の買い取りはなし。残地を更地にすると、立ち退き後も固定資産税の支払いが生じます。

市民無視の計画は凍結を

 集会は、市内に住むミュージシャンの佐々木彩子さんによるピアノ弾き語りで開始。主催者あいさつで実行委員長の吉田治夫さんは、「道路建設に伴うさまざまな問題点を、〝自然と生活環境を守る〟という視点から学び合いたい。国立の未来を考える新たなスタートにしましょう」と述べました。

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