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イチョウの一部で枯れ 神宮外苑 日本イコモスが調査 再開発で危機深まる〈2022年11月20日号〉
- 2022/11/22
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再開発事業が進む神宮外苑地区(新宿、渋谷、港区)のイチョウ並木を巡って、日本イコモス国内委員会(委員長=岡田保良国士舘大学名誉教授)は10日、都庁で記者会見し、一部が枯れるなど生育状況に問題があるとの調査結果を公表しました。日本イコモス理事の石川幹子中央大学研究開発機構教授が10~11月、樹木医の教育に関わる浜野周泰東京農大客員教授と共同でイチョウ並木146本を調査しました。
神宮外苑のシンボルとしてイチョウ並木は観光名所となっており、葉が黄色に色づく秋は観光客で賑わいます。石川氏は100年の時を超えて継承されてきた、このイチョウ並木が危機にひんしていると警鐘を鳴らします。
調査によると、6本のうち1本は4段階で最低のD「著しい枯損」と評価。残り5本はC「要注意」と評価しました。Dと評価されたイチョウ(高さ23メートル、幹回り2メートル83センチ、枝張り10メートル)は、黄色い葉を輝かせる周囲のイチョウとは対象的に、上半分ほどの葉が全て落ちて幹や枝がむき出しになっていました。
浜野氏は倒木の可能性もあり、枯れた部分の切断など大規模な措置が必要といいます。「イチョウは生命力の強い木。生育環境を整えれば元の円錐形の樹形に戻る可能性はある」とした上で、元に戻るには100年以上はかかるのではないかと推測しました。