歌声の文化を次世代に ともしびが新店舗 2年ぶり再開、高田馬場で
- 2022/11/22
- 文化・芸術・暮らし
新型コロナ禍さなかの2020年10月から休店していた、歌声喫茶「ともしび」が新宿・歌舞伎町から同区の高田馬場駅近くに店を移して、22日に新店舗を開店しました。全国からの募金など、多くの支援を受けての2年ぶりの再開です。若者や学生が多く集う新たな街に移り、次の世代に歌声文化を継承することに挑みます。
開店3日前となる19日、事前に予約した関係者を集めて、新店舗のお披露目の集いが開かれました。
厨房や店内の装飾などは、まだ準備中で、届いたばかりという電子レンジも床に並べられています。
地域で「歌声」の活動に取り組むメンバーなどが続々と集まる中、ピアノとアコーディオン、パーカッションの伴奏の練習が響き出すと、自然と手拍子がわき、マスク越しの笑顔がこぼれます。
ともしびのスタッフの一人、制作部の寺谷宏さん(64)は、「コロナ禍で、みんなで集って歌うのが難しく、生での歌声は、数年振りという人も半数近くいます。みんな、これを待っていたと、心の中で涙を流していると思いますよ」と喜びます。
十円食堂での合唱企画から
ともしびは、1954年に新宿で開店。歌声喫茶(ことば)の老舗です。
当時、早稲田大学に通っていた学生・柴田紳氏が「安くて腹いっぱい食べられるように」と開いた「十円食堂」で、水曜日の夜にレコードプレーヤーで音楽をかけて、みんなで歌おうという企画を始めたのがきっかけでした。次第に、様々な歌が歌えるようにとアコーディオンの演奏になり、司会をするリーダーを立てるようになりと、現在のような楽しみ方ができていき、歌声喫茶が誕生しました。