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- *クローズアップ地方選*〝補助あれば買えます〞三鷹市 多摩初の補聴器助成〈2022年11月27日号〉
*クローズアップ地方選*〝補助あれば買えます〞三鷹市 多摩初の補聴器助成〈2022年11月27日号〉
- 2022/11/29
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「聞こえの支援は人権問題」との考えから、主に高齢者を対象に補聴器購入への補助制度が広がっています。23区では、ここ3年ほどで2倍以上、少なくとも16区が創設。一方、多摩26市では、三鷹市が初となる補助制度を10月からスタートさせました。すでに100人近い市民が申請し好評です。
共産党の条例提案実る
近年、聞こえの問題が高齢者の社会参加の障壁となっていることが、様々な研究で分かってきました。うつや認知症を引き起こす要因ともなるとの研究結果もあります。その対策として補聴器の使用が有効とされています。
しかし補聴器の普及は進んでいません。高額なことが障壁となっています。国の身体障害者総合支援法の補装具費支給制度はありますが、条件が厳しく、かなりの重度難聴でなければ適用されません。三鷹市は支援法の対象にならない、18歳以上の市民が対象で、購入費の半額、最大4万円までを補助します。所得制限(210万円以下)があります。
市高齢者支援課によると、11月17日までの申請者数は97人(65歳未満5人)で、このうち79人(同5人)が認定されました。申請には医師の「意見書」の添付が必要ですが、不認定となった人の中には、医師の診断で初めて重度の難聴だったことが分かり、支援法による補聴器支給につながったケースが2件ありました。
大高俊彦課長は「助成制度を待ち焦がれていた人が一気に申請され、その後も途切れることがありません。それだけニーズがあるということです。思いのほか重度で福祉(支援法)による支援につながった方もいます。この制度をやってよかった」と話します。
高額な購入費 補助が後押し
補助制度のスタートを機に、購入を考える人が増えています。最近聞こえづらくなったという久保田有子さん(80)もその一人。「相手の話を聞こうと神経を使うので疲れてしまう。聞こえないのがこんなにつらいとは知りませんでした。補聴器は高いと迷っていたけれど、補助金が出るのなら買います」。前田たま子さん(82)も、「夫との会話で『なに、なに』って、何度も聞き返すことが多くなると、結果的にしゃべらなくなってしまう。調子が悪い補聴器を買い換えたい」と、補助に期待します。
浅羽和子さん(88)は、9月に紛失した片耳の補聴器の購入を1カ月待って、補助申請し認定されました。「補聴器をつけないと、友人との外食では会話になりません。後ろから来る車の音も聞こえない。恐くて自転車にも乗れない」と切実。
夫の晴二さん(92)も難聴が進み、補聴器は必需品。最近買い換えた機器は両耳で25万円。「私の場合は所得制限で補助の対象外。医療費は2倍と負担ばかり増えているので、所得制限の緩和や補助額を増やしてほしい」と話しました。
「検討したい」大城質問に答弁
三鷹市が補聴器の購入助成に動き出すきっかけとなったのは、2019年9月議会でのこと。日本共産党の大城みゆき市議の質問に、河村孝市長が前向きな答弁をしたことでした。