【 #Web東京民報 連載】東京わがまち 40 羽子板市
- 2022/12/5
- WEB版連載
浅草羽子板市は、12月17日、18日、19日の3日間浅草寺境内で開かれる。通りから一段高く床を張ったにわか座敷の店が数十軒並ぶ。もともとは、江戸時代から正月用品を売る年内最後の市、「歳の市」だった。
歌舞伎の役者絵、藤娘に汐汲みなど伝統的な押し絵羽子板に加えて、その年の社会風刺、話題の人などの羽子板もある。昔は、ひいきの役者絵の羽子板を競って買い求め、それが歌舞伎役者の人気のバロメーターだったとか。孫の初正月のお祝いに振袖の羽子板を選んでいた隣から、「お手を拝借、よー、パパパン」と威勢のいいかけ声が響いて来た。もう、お正月も近い。
写真・文 夏目安男
〈東京民報 2016年12月11日号より〉
※WEB版追記 写真家の夏目安男さんは2021年12月に亡くなりました。ご遺族の許可を得て、東京民報での連載「わがまち東京」をWeb版連載として掲載します