*シリーズ「生活保護の現場から」*物価急騰 保護費は低いまま バブル経済に翻弄されて〈2022年12月18日号〉

 東京都の市部にひとりで暮らす山下明秀さん(61=仮名=)は生活保護を利用しています。現在、働きたいという気持ちを抱きつつも、医師から「就労に耐えられない」と制止され、週5回のデイケアを利用しています。複数の疾患を抱えながら、物価急騰の日々を必死に生きる山下さんが、セーフティネットで救われるまでを聞きました。

都心のビジネス街もそこで働く人同様大きく様変わりしている

 「毎日、希望より不安を強く感じる。10年先どうなるのだろうって。健康に気を付けて長生きしても、なんの楽しみもない。生活保護を利用する分、社会に負い目もあるしね」と伏し目がちで語る山下さん。生活保護を利用して10年が経ちました。「弁当屋で一番安い、のり弁が280円だったのに、今では400円。物価は急騰しているのに、生活保護費は減らされたまま。厳しいですよ。安く食べられるコンビニ、牛丼、立ち食いそば、ファストフード、全部高くなっています。せめて、生活保護費を(2013~2015年の)削減前に戻して欲しい。消費税も下げて欲しい」と語ります。

 生活保護で支給される金額の内、生活に使えるのは7万6000円だといいます。「水道光熱費を差し引くと、1日の様々な全てを1500円でまかなわなきゃいけない。この前は自転車がパンクして修理に持っていったら、『タイヤごと交換です』と言われて4900円。えーっと思いました。3日分がなくなるけど、仕方ない。逃げ場もないし、生活が苦しい。こんな国に誰がしたんだろうと思う」と山下さんは訴えます。

 糖尿病でインシュリンを注射するようになって9年、統合失調症と逆流性食道炎も患っています。

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