【 #Web東京民報 連載】東京わがまち 43 とんど焼き
- 2023/1/2
- WEB版連載
「トンドヤ、トンド」と叫び竹で地面を打ちつけながら、子どもたちが火の回りをまわり始めた。しめ縄を積み上げた藁山はすさまじい勢いで火を噴きあげている。この神火で焼いた餅を食べると丈夫になるという。子どもたちは、顔を火照らせながら竹竿の先につるした餅を焼きはじめた。
松の内の7日、七草がゆを食べ、門松やしめ縄、正月飾りを外す。外したしめ飾りやお札を燃やし1年間の無病息災を祈願する。左義長やどんど焼きとして小正月の15日に行う地方も多いが、鳥越神社では江戸時代から毎年8日に、とんど焼きとして行っている。この1年、無病息災で。
写真・文 夏目安男
〈東京民報 2017年1月1日、8日合併号より〉
※WEB版追記 写真家の夏目安男さんは2021年12月に亡くなりました。ご遺族の許可を得て、東京民報での連載「わがまち東京」をWeb版連載として掲載します