東京電力福島原発事故の汚染土の処理をめぐり、環境省が新宿御苑(新宿区内藤町)の花壇で「再生利用」する実証事業を計画している問題で、地元や周辺住民らでつくる「新宿御苑への放射能汚染土持ち込みに反対する会」は20日、住民や来園者、関係者すべての人の安全が保証されない限り、実証事業を中止するよう国に求めることを小池百合子知事に申し入れました。
実証事業を巡っては昨年12月21日に、環境省が、新宿1、2丁目の住民を対象に説明会を開催(約30人が参加)。福島県内の中間貯蔵施設で保管している汚染土のうち、放射能濃度が8000ベクレル/㎏以下の汚染土を実証事業で使用するなどと説明しています。
申し入れには同会のメンバーら約30人が参加し、都環境局の担当者に申し入れ書を手渡しました。申し入れは他に▽都として実証事業の内容について都民に周知▽住民説明会の議事録公表や誰もが参加できる説明会の開催を国に求める▽汚染土に含まれるすべての放射能物質の濃度測定と情報公開―を求めました。
参加者からは、「事業は新聞報道で知った。周りの人もほとんど知らない。安全性に疑問をもつ人もたくさんいる。住民に事実を知らせないのは、都として無責任ではないか」「原発事故はまた起こる可能性がある。都は自治体として私たちの命、暮らしを守る先頭に立ってもらいたい。まず議会、住民に知らせてほしい。未来のために危険を残したくない。スルーしないでください」など、三者的な立ち場に終始する都の姿勢を批判する声が相次ぎました。