新宿御苑 「汚染土持ち込みノー」 住民が「反対する会」結成〈2023年2月5日号〉

 東京電力福島第1原発事故で発生した汚染土を環境省が新宿御苑(新宿区内藤町)の花壇で「再生利用」する実証事業を計画している問題で、地元住民らは1月24日、「新宿御苑への放射能汚染土持ち込みに反対する会」の発足集会を四谷地域センター(新宿区)で開きました。オンラインで結んだ第2会場も使う約160人が参加し、環境省への申し入れやシンポジウムの開催など、今後の活動について確認しました。

「反対する会」の発足集会=1月24日、新宿区

 世話人の一人、平井玄さんが、この間の経過を報告。新宿区長や都知事への申し入れで、住民の不安な思いを受け止めなかったと批判。「専門家ではなくてもこの街で暮らし、放射能の影響を受けるものがものを言うのは当たり前だ」と訴えました。

 国際環境NGO「FoE JAPN」の満田夏花事務局長が講演し、いくつもある実証事業の問題点を指摘。環境中への放射性物質の拡散や原子炉等規制法でセシウムは100ベクレル/㎏以上のものは敷地から持ち出し再利用は不可としているのに、公共事業や農地には80倍のレベルまで容認していること、情報公開や管理責任、管理期間があいまいなことなどについて解説しました。

 実証事業について「『汚染土を再利用しても大丈夫』という宣伝のためではないか」と指摘。「(事故の)責任は東電と政府にあり、環境省には、きちんと説明してもらいたい」と強調しました。

 環境省が新宿区とともに実証事業を行おうとしている埼玉県所沢市から駆けつけた男性は、地元で市民の会をつくり、汚染土持ち込みに反対する署名や学習会を始めたと紹介。「地域住民の圧倒的多数は反対している。新宿区のみなさんと足並みをそろえて頑張っていきたい」と力を込めました。新宿2丁目で32年間働いたという男性は「店をまわってビラを配ったが、10軒中7軒は計画を知らなかった。『自分も反対だ』という人もいた。長い時間働く人たちにも知らせていきたい」と語りました。

 汚染土を道路の路床材として再利用する実証事業を、住民運動で撤回させた福島県二本松市の住民もオンラインで参加し、住民が声をあげることが重要だと強調しました。日本共産党の大山とも子都議、社民党、れいわ新選組の代表もあいさつ。大山都議は「命と健康を守る責任を都にも果たさせるため、ともに頑張る」と表明しました。

 環境省は実証事業について、福島県内の中間貯蔵施設で保管している汚染土のうち、放射能濃度が8000ベクレル/㎏以下の汚染土を実証事業で使用するなどと説明。土の搬入時期や期間などは明らかにしていません。

東京民報2023年2月5日号より

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