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一般会計 過去最大8兆円超 都民支援本気見えず 東京都が23年度予算案〈2023年2月5日号〉
- 2023/2/4
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東京都は1月27日、2023年度当初予算案を発表しました。一般会計の総額は8兆410億円で、22年度より2400億円(3.1%)上回り、初めて8兆円を超え過去最大となりました。「企業収益の持ち直し」による法人2税の前年度比15.4%増などによる過去最高の都税収入(前年度比5702億円、10.1%増)が反映しました。子ども・子育て支援の重要な前進はあったものの、予算案全体としては、コロナ禍や異常な物価高にあえぐ都民を、大きな財政力を生かして本気で支援するものにはなっていません(表参照)。都は予算案を2月15日開会の都議会第1回定例会に提出し、審議されます。

23年度予算案は、一般会計、特別会計・公営企業会計を合わせた総額は16兆821億円で、22年度より6882億円(4.5%)増で過去最大。スウェーデンの国家予算を超え、オーストリアの国家予算(23年度約16兆3000億円)と同規模となります。
小池百合子知事は定例記者会見で、「世界から人と投資を呼び込む。そして都市間競争を勝ち抜いていくということが課題となっている」と強調。予算案の柱の一つ「世界から選ばれる金融・経済・文化都市」には、約1兆円を投じます。
この中には国際金融都市の実現・外国企業誘致の推進に49億円、「世界共通の都市課題を乗り越えるための多彩なアイディア、テクノロジーなどを東京から世界に発信する」という意味不明の「スシテック東京」事業に54億円、デジタル化を民間企業と一体になって進めるための新団体「ガブテック東京」の設立に22億円を盛り込みました。

新たな五輪基金
東京五輪を巡る談合・汚職事件が大きな問題になっており、全容解明が都の最優先課題ですが、こうした課題には後ろ向きです。その一方、新年度予算案には、東京五輪準備基金などを統合して、五輪レガシーを後世に伝えるとの目的で、新たな基金1485億円を計上しました。
臨海選手村跡地(中央区晴海)を、大会レガシーとなるまちづくりとして発信するイベント準備に21億円も計上しました。選手村の跡地を巡っては、都がデベロッパーに基準地価の割引で売却したことが問題となり、住民訴訟が起きています。
また、IRカジノの調査費用を10年連続で予算化。多くの住民に犠牲を強いる外環道をはじめとした大型道路建設の予算は、1000億円を超えています。