岸本区長「公共施設は共有財産」施設統廃合は見送り〈2023年2月12日号〉

 杉並区の岸本聡子区長は1月31日、2023年度当初予算案(一般会計2107億円)を発表しました。就任後初の本格予算で、2月9日開会の区議会定例会に関連条例とともに提案します。前区政の区立施設再編整備計画で決まっていた統廃合計画を一部見送るなど、区民との対話と区政への区民参加を重視する姿勢を可視化するものとなっています。

杉並区 23年度予算案を発表

予算案について説明する岸本区長=1月31日、杉並区

民間委託を検証 計画改定に反映

 「公共施設やサービスは全ての区民の共有財産」。岸本区長は記者会見で、改めて持論をのべました。岸本区長はこの考えをもとに、前区政のもとで決められた子どもや高齢者、住民が利用する区立施設を統廃合する区立施設再編整備計画などについて、「民主的で持続可能な運営を進めるうえで、民間委託等の手法を検証する」として、すでに指定管理事業者や従事者、区民へのアンケート調査を行っています。

 23年度予算ではさらに、当初想定していたサービス向上やコスト削減といった効果、公共財を管理運営する人たちの安定した雇用などについて検証作業を進め、「区政経営改革推進計画」改定に反映させると表明。その間、進行する施設の統廃合については、「一旦立ち止まる」とし、緊急性や進ちょく状況などから「立ち止まることが困難」な取り組みについては昨秋、例外的に整備を進めるとしていました。

 今回、提案を見送ったのも、「立ち止まることが困難」と判断した施設で、「(仮称)コミュニティふらっと本天沼」の整備予算と、それに伴う3施設(本天沼、天沼両区民集会所、ゆうゆう天沼館)の廃止条例案です。しかし説明会で「これまで通りの目的、頻度で利用できなくなるのでは」といった利用者からの不安の声が少なからずあったことから、定例会に予算や条例案は提出せず、不安が解消されるよう対話を継続します。

 一方、同じく例外的に整備を進めるとしていた「子ども・子育てプラザ下高井戸」は、今年9月オープンに必要な経費を計上。これに伴い廃止する下高井戸児童館の存続を願う声に応え、対話は継続。すでに開設した他地域のプラザに対話で生まれた「小学生タイム」の導入など、開設後も保護者と子ども、地域住民らが運営について協議する仕組みを検討します。

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