同性婚をめぐる差別発言で、荒井勝喜・首相秘書官が4日、更迭されました。「見るのも嫌」「同性婚なんか導入したら、国を捨てる人も出てくる」など、許されない暴言です▼重大なのは、荒井氏の発言は、岸田首相の1日の衆院予算委員会での答弁に関する記者の質問に答えたものだったことです。首相の答弁は、同性婚を法制化すると「家族観や価値観、社会が変わってしまう」として「極めて慎重に検討すべき課題」というものでした▼自民党の関係者は過去にも、多様な性のあり方や家族のあり方を否定する発言を繰り返してきました。その根本にあるのが、世界では当たり前の性教育へのバッシングです。同党は2005年に、安倍晋三元首相を座長とする「過激な性教育・ジェンダーフリー教育実態調査プロジェクトチーム」をつくり、全国の学校での性教育へのバッシングを続けました▼性教育やジェンダー平等への攻撃は、統一協会や右翼団体「日本会議」の主張とも、軌を一にしています。自民党のなかに、DNAのようにジェンダー平等の敵視が組み込まれています▼首相は自身の答弁を「ネガティブな意味ではない」と釈明しました。「変わってしまう」が否定的ではないとは、いかにも苦しい言い訳でしょう。
東京民報2023年2月19日号より