中学校の英語スピーキングテスト(ESAT‐J=イーサットジェー)の中止を求める市民集会「STOP ESAT‐J!どうなってるの?東京都の教育行政」が3月27日、都議会会議室(新宿区)で開かれ、オンラインを含めて約90人が参加しました。主催は「入試改革を考える会」、「都立高校入試へのスピーキングテスト導入を求める会」「保護者の会」など4団体。
考える会など市民集会
「都立高校入試へのスピーキングテスト導入の中止を求める会」の吉岡潤子さん(元中学校教員)は、実際に試験が行われたことを踏まえてテストの3大問題点①民間委託をすることで生じる様々なリスクや混乱②公平性・公正性が保たれていない③都民や学校現場の声を無視した教育施策―について指摘、「入試としてもアチーブメント(学習到達度)テストとしても不適切」だと強調しました。
都が2023年度は中学3年生に加え、中学1・2年生にもアチーブメントテストとして導入する方針で、新年度予算に35億円が盛り込まれたと紹介。「様々なトラブルや問題点の改善策も示されず、都民からの疑問や要望の声に誠実に答えずに強行しようとする態度は許されない」と批判しました。
スピーキングテストに詳しい京都工芸繊維大学の羽藤由美名誉教授は、教育産業大手のベネッセがテストの運営を担う意味について報告。ベネッセが実施する英会話テスト「GTEC」と、都のスピーキングテストがほぼ同一なことを指摘。テストの質や公正性、公平性と試験業者の利潤の間には相容れないものがあると強調。「入試に民間事業者を介入させることは、日本の入試文化に照らして慎重な対応が必要だ」と強調しました。