音楽家、作曲家の坂本龍一さんが3月28日、亡くなりました▼テクノポップのジャンルを確立した、グループ「イエロー・マジック・オーケストラ」(YMO)で活躍。YMO解散後、俳優としても出演した、大島渚さんの映画「戦場のメリークリスマス」のテーマ曲が代表曲となりました。映画「ラストエンペラー」の音楽では、米国アカデミー賞も受賞しています▼訃報が世界各国に速報で報じられた坂本さんは、社会や環境などの問題への積極的な発言でも知られました。なかでも、東日本大震災と福島原発事故を受けた、原発ゼロを求める運動では、集会などに繰り返し参加しました▼「同じ時代のカナリヤとして、さまざまな発言をご一緒にして来たし、とても信頼し、頼りにして尊敬して来た」―集会などで坂本さんとともに登壇することも多かった、音楽家の湯川れい子さんのツイッターでの発信です▼坂本さんが亡くなる直前、声をあげたのが神宮外苑の再開発で、多くの樹木が伐採される問題です。「もう反対運動に加わる体力がない」として、手紙で「目の前の経済的利益のために100年かけて守り育てた樹木を犠牲にすべきではない」と訴えた坂本さん。その思いを、知事や事業者はどう受け止めるのでしょうか。
東京民報2023年4月9日号より