個人事業主やフリーランス、税理士が集まる市民団体「STOP!インボイス」は18日、10月から導入が狙われているインボイス(適格請求書)制度を中止させるため、全国で声をあげようと、トークイベント「作戦会議」を新宿区のライブハウスで開きました。
歌手や演劇人、声優、ライター、アニメーター、漫画家、経済評論家、超党派の国会議員など、さまざまな立場の人たちが出演し、「多くの人を廃業に追い込み、若手を苦境に陥らせ、日本経済を壊すインボイスは、中止しかない」と訴えました。
ミュージシャンのライブやトーク企画などを通じて、取り組みを交流し、知恵を出し合いました。

経済評論家の荻原博子さんは、「所得に占める税金や社会保険料の負担割合を見ると、日本はすでに48%で、江戸時代の『五公五民』と同じ、ひどい状況だ」と指摘し、「インボイスを入れると、消費税を複数税率にできて、どんどん税率をあげられる。弱い者いじめの制度で、日本経済をダメにする」と厳しく批判しました。
俳優のラサール石井さんは、「政府は、最新の兵器を買うために莫大な予算を投じており、税金の使い方のバランスが悪すぎる」と語り、「インボイスを導入すれば、エンターテインメントの世界も若い人が打撃を受けて先細っていき、国際的に通用するものが生み出せなくなっていく」と危機感をあらわにしました。
行動を全国で
日本共産党、立憲民主党、れいわ新選組の国会議員と、自民党の元国会議員が参加。「与党の国会議員のなかにも、心の中ではインボイスはまずいと思っている人も多い」「変化を生むには、与党に、このままでは選挙がまずいと思わせるのが大事だ」など、国会の状況を報告しました。
共産党の山添拓参院議員は、「インボイスは、誰も得をせず、誰かが必ず損をする。消費税率を複数税率にして増税することを考えなければ、何の必要もない仕組みだ」と、中止に向けて力を合わせることを呼びかけました。
この間の活動を振り返るコーナーでは「国会に陳情に行くと、事務所の個性の違いがわかって楽しい。政治をもっと身近なものにしたい」「自分たちの後輩の世代のために、この制度は許せないと、各分野の現役・子育て世代の女性たちが一緒に立ち上がってくれたのが嬉しかった」などの意見が出されました。
6月14日に国会前で「STOP!インボイス一揆」として街頭宣伝を開くことも提案されました。全国での行動も呼びかけます。呼びかけ人でライターの小泉なつみさんは「インボイスを止めるには、私たちだけでは難しい。みんなで一緒に、全国で声をあげたい」と語りました。
東京民報2023年5月28日号より