【議会へキックオフ 紹介 新人議員】東大和市議 早川みほさん(47)「子どもたちが生きやすく」〈2023年5月28日号〉 

 「また子どもたちの声を聞けることが、すごくうれしいんです。子どもたちが少しでも生きやすい社会になるように、私のキャラ(性格)も生かして頑張りたい」。こう話すのは、4月の東大和市議選(定数22)で1710票を獲得して5位で初当選した、早川みほさん(47)です。共産党は尾崎りいち、上林まさえ両現職候補と合わせて、3人全員の当選を果たしました。

抱負を語る早川みほ市議(東大和市役所前で)

 美術の教師を目指していた早川さん。地元の静岡大学教育学部の卒業後は、先生を支える側として教育書出版社のデザイン職を選びました。その後も企画会社や制作会社、進学塾講師や幼児への英語教師など、ものづくりと教育に携わる仕事に就いてきました。直近は、対話型AI(人工知能)を使った案内キャラクターのデザインや画面設計を手がけていました。

 早川さんが政治に関心を持ち始めたきっかけは、東日本大震災での原発事故や復興のあり方に疑問を持ち始めたこと。日本共産党に出会ったのも、この頃です。「インターネットで党の発信を知り、庶民の暮らしに向き合った数々の政策に好感を持ちました。加えて、いままでは漠然と『政治のことは政治家に任せておけばいい』と思っていましたが、それではダメだな、と考え直しました」

 国会前デモや署名運動への参加など、次第に「政治」を自分ごとと捉えて行動していく中、昨年4月に東大和市へ転居。参院選のボランティアで上林市議と出会い、行動をともにするように。そして今年2月、森田真一市議の後継にと請われたのでした。

 「本当に迷いました。教職の経験から人に何かを伝えることは好きでしたが、自分には政治家になれるような高尚さはないと思ったので…。でも『社会を良くしたい』という強い気持ちがあり、立候補を決意しました」

 気がかりだったのは、金色に染めた髪のことでした。地域の共産党支部の人たちに「黒く染め直したほうがいいですか」と相談すると、「そのままで大丈夫。あなたの個性なんだから」と言ってくれました。

演説に“素人”の視点

 早川さんは、選挙活動の中で「市民としても、共産党員としても、政治家としても『素人』同然の自分に何ができるのか」と悩みました。行き着いた結論は「この『素人』の視点を逆に生かしてみよう」ということでした。

 「『素人』から見た共産党は、正しいことを言っていても表現が難解で伝わりにくい印象がある。誰にでもわかる易しい言葉で話したら、もっと多くの人に届くのでは」。そう考えた早川さん。ある市民グループからは、「演説は落語といっしょ」とのアドバイスも受けました。発音の抑揚を大きくして起伏をつけ、戦争や生活への不安を訴える市民の声は、その人になりきって声音も変えて、聴衆に伝わるように工夫をしたのです。

 効果てきめんでした。街頭で演説を聞いてくれる人や、声をかけてくれる人がどんどん増え、中でも学校給食費の無償化の訴えは、子どもたちからものすごい反応が返ってきました。中学校の近くで演説をしていると、50人ほどの中学生に囲まれたこともありました。

 「なぜ聞いてくれるの」と尋ねると、「分かる言葉でしゃべってくれるのがいい」「僕たちの話を聞いてくれるから」との答えが返ってきました。金髪に親近感をもってくれた子、最後までじっと演説を聞いて拍手をくれた子、事務所に来て将来の夢を語ってくれた子もいました。「喜びを感じる一方で、これは裏切れないぞ、大変なことになった、という思いもこみ上げてきました。かれらの信頼がとてもまぶしかったんです」。当時を振り返り、早川さんは目を潤ませました。

 つい最近、うれしいことがありました。街頭演説を聞いた子どもたちから頼まれた、公園のバスケットコートの凹みの補修が行われたのです。演説のあと市の担当課に伝えた要望が、さっそく実現したのでした。

 「ひとつずつ地道に学び、いただいた期待に応えていけたらと思います。そして子どもだけでなく全ての人が暮らしやすい街にしていきたい」。

 早川さんのスローガンは「あなたらしく生きられる東大和へ」。「やりたいことは無限にありますが、まずは公約の実現に全力で頑張ります」

東京民報2023年5月28日号より

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